2009年8月31日月曜日

否定文を考える2

2009年8月11日の「比較を考える1 」にも書いたように、日本語は日本語には「マイナス」の表現があまり十分には用意されていません。

学習者が間違えやすいのが、以下のポイントです:
日本語訳をすると「否定文=マイナス」になるので、元のフランス語の文も文法的に「否定文」と考えてしまうのです。

1. Je bois peu de thé.
(ぼくはほとんど紅茶は飲みません)

2. Ma mère va rarement au karaoké.
(母はめったにカラオケには行きません)

3. Dans ce groupe, il n'a que des filles.
(このグループには女の子しかいません)

これらの文は自然な日本語訳では「否定文」になってしまいますが、文法的には全て(少なくとも日本語においては)否定のニュアンスをもった肯定文です。

1. の文は「多くはないけどほんの少しだけ」飲むのです。
2. では「頻度は高くないけど稀には」行くのです。
3. はneが入っているから否定文に見えますが、これは一般的には「限定文」と言われるもので、neには文法的な否定文を作る役割は持たされていません。
「女の子だけ」がいるのですね。

「肯定文」なので次のような受け答えになります。

Je voyage rarement à l'étranger.
 - Moi aussi, je préfère visiter mon pays tranquillement en voiture.
海外旅行はめったにしないよ。
 - ぼくも。車でゆっくりこの国を見て回る方が良いな。
(否定文ならば「moi non plus」となるはず)

Est-ce qu'il n'y a que des filles dans cette classe?
 - Oui, malheureusement, il n'y a que des filles. Mais, il y a de plus en plus d'hommes qui veulent faire du français.
このクラスには女性しかいないの?
 - 残念ながらそうなんだよね。でも男性の学習者は増えているよ。

「否定のニュアンスを持つ表現」と「否定文」は区別をしましょうね。
ちなみにne --- queの表現は否定文ではなく限定文なので、queの後の冠詞は変化しません。

2009年8月21日金曜日

形容詞を動詞にしてみよう!

gros(se):太っている
maigre:痩せぎすである(grosの反意語で褒め言葉ではありません「- マイナス」の形容詞です。誉める時にはminceを使いましょう)
rouge:赤い
blanc:白い
grand:大きい

これらの共通項は「形容詞」ということですね。
じゃあ「太る」「痩せる」「赤くなる」「白くなる」「大きくなる」とはどういうのでしょう。

もちろん、
devenir gros、devenir grand... と言うことはできますよ。
(英語では主にgrow fat、gain weightと言うようです)

フランス語では主に動詞を使います。

形容詞の語尾を少しいじって(多くの場合女性形に近い)ir を付けます。
これらは全て第2群規則動詞です。(finirやchoisirの仲間ですね)

以前にも登場した例文、
J'ai grossi de 2 kilos. だけでなく、
Les feuilles d'érables rougissent et jaunissent en automne.
(秋にはカエデの葉が赤くなったり黄色くなったりします)
Je rougis facilement quand je bois.
(飲むとすぐに赤くなります)
Wow, tu as grandi!
(大きくなったねえ)

ちなみにgrandirは「大きくなる」、agrandirは「大きくする」の違いがあります。
使い間違えてrougirする前に辞書で確認しておきましょう。できれば紙の辞書で。

2009年8月20日木曜日

homonymeって何?

日本語では一般的に「同音異義語」と訳されるものです。

Moi, je n'ai jamais rien volé.
わたしは何かを盗んだことなんて一度もないわ。
J'ai envie de voler comme un oiseau.
鳥のように飛んでみたいわ。

動詞volerには二つの意味があるのです。
1. 盗む
2. 飛ぶ

ネイティブは当然二つの意味を使い分けています。
そこで大事なのが文脈を読む力構文力なのです。

多くの場合「盗む」という意味では、
voler + 盗むもの + à 盗む対象の人
「飛ぶ」という意味ではvolerは自動詞で使われるので、直接目的補語は存在しません。

品詞違いでも存在します。

[si](発音記号なので「スィ」と読んで下さい)の意味は?
もし? 6? scier(動詞)の活用?

[kuR] (同じく発音記号です)の意味は?
授業? 短い? courir(動詞)の活用? 中庭?

[fwa](同じく発音記号です)の意味は?
〜回/度? 信仰? 肝臓(フォアグラ)? Foix(南フランスの町)?

単語は「単語だけ」で存在しているのではなく、文脈の中に在るのです。

にわにわにわうらにわにわにわにわとりがいる。(音だけ意識して下さい)
ややこしいですね。

J'ai commandé [si fwa].
6回注文したの? 六つの肝臓を注文したの?

Si six scies scient six cigars, six cent six scies scient six cent six cigars.
(まあ、早口言葉になってしまいますね)

これがhomonymeマジックです。

2009年8月19日水曜日

必ずしも「反対」ではありません。

「反対」を訳すと、一般的には「le contaire」です、という話ではありません。

各言語に「単語の穴」があるのです。
例えば日本語には「自分が自分であること、またはその自己証明」という概念はない(なかった)ので、アイデンティティーは日本語ではないし、無理に訳すことさえできません。
ご存知の通り、ヨーロッパ言語には「義理」という発送や概念がないので、もちろん訳せない(intraduisible)です。

フランス語には「反対の形容詞の穴」が多く見受けられます。

フランス語にはprofond(深い)はあるのですが、英語だとshallowと訳される「浅い」という形容詞が存在しません。
多くの場合、peu profond(さほど深くない)を使います。

cher(値段が高い)はあるのですが、英語のcheapに当たる(値段が安い)は存在しません。
bon marchéはほとんど使われないのです。

frileux,se(寒がり)はあるのですが「暑がり」という語も存在しないのです。
おそらく、本来はフランスは寒い国なので、「暑い」という感覚もしくはそれに対応する単語が生まれにくいという背景があったのでしょうね。

Je déteste la chaleur. または
Je crains la chaleur.
というしかありません。

言葉っておもしろいですね。

2009年8月18日火曜日

「とっても」疲れた...

Je suis fatigué...
だけじゃ芸がないですよね。「感嘆文」にしてみましょう。

その前に一言:
日本語で簡単文と言うと不自然な訳になってしまいますが、フランス語ではもちろん普通に使われている表現ですよ。
訳さないで「気持ちを高めていう表現」とくらいに考えましょう。

感嘆文を作るのは簡単なのです!
1. 文の中にtrèsがあったら取り除いて下さい。
2. その後にその文を「Que...」または「Qu'est-ce que...」で始めてみましょう。

Que je suis fatigué(e)!
Qu'est-ce que je suis fatigué(e)!

といった具合です。

Qu'est-ce qu'il fait chaud!
Que c'est bon!
Qu'est-ce que j'ai faim!
Qu'elle est moche, cette fille / cette chanson / cette voiture!

お試しあれ! ちゃんとイントネーションも「感嘆、驚き、ビックリ」に変えて下さいね。

2009年8月17日月曜日

比較を考える2

「比較表現」はいわゆる比較級だけの専売特許なのでしょうか。
そんなことはありません。

Cette fille fait jeune pour son âge.
この子って年齢の割には若く見えるね。

Il fait bien chaud cette année par rapport à l'année dernière.
去年と比べて今年は暑いね。

など書き出したらキリがありません。
比較級を使っていない表現なので、当然のことながらplus(aussi、moins)形容詞/副詞 que 〜 は取っていません。

またラテン語を起源とする表現は、一般的に比較対象はqueではなくàで表されます。

Je préfère le café au thé.
Bien entendu, je préfère le vin français à celui d'Italie.
Préférez-vous la musique des années 80-90(⤴) ou la musique d'aujourd'hui(⤵)?
 - Je préfère plutôt la musique des années 80 à celle de maintenant.

Mon salaire est inférieur de 20% à celui de ma femme.

Je trouve que son nouvel album est supérieur à ses précédents.

もちろんこれらの表現にもいわゆる「比較級」の枠組みはありません。
比較する時に先に「比較級」ありきなのではなく、候補のひとつとしてとらえて下さいね。

2009年8月16日日曜日

命令形(命令法)1

ねえ〜、こっちに来て!
Viens!
こっちに来いったら!
Viens!
来いって言ってるだろう!
Viens, bon sang!

動詞の「命令形」は作り方は次の通りです:
誰に命令するかによって動詞を活用主語を言わない(書かない)
メインの動詞はフランス語では(一部の例外を除いて)絶対に活用します。

命令形は3種類あります。
1. 親しい「tu」で話している人に対する命令
2. そうでない「vous」で話している人、もしくは複数の人に対する命令
3. 私たち、すなわち英語のLet's ~に相当する命令

また肯定命令の場合は代名詞は動詞のあとに置かれます(一人称と二人称は強制形moi やtoiに変わります)
否定命令の場合はそのままです。

ただ間違えてはいけないのは、「命令形」とは命令にしか使わないのではありません。
命令にも使える動詞のひとつの形であるということです。
やさしく言えば「お願い、依頼」と理解されるし、強い口調で言えば「命令、義務」のニュアンスを帯びるということです。

tuやvousの命令形に関しては、次のような表現を付け加えることによってより表情豊かな発言になります:

Entrez, s'il vous plaît.
どうかお入りください。
Entrez, je vous en prie.
どうぞお入りください。
Passez-moi le sel, s'il vous plaît.
お塩を取ってもらえますか
Servez-vous, je vous en prie.
ご自由にお取りください。

またêtreおよびavoirの命令形は次の通りです。

être : (tu) sois / (vous) soyez / (nous) soyons
avoir : (tu) aie / (vous) ayez / (nous) ayons

Sois sage.
(おかあさんが子供に)よい子にしててね。
Ne soyez pas méchant avec moi, soyez gentil, s'il vous plaît.
そんなに私に意地悪しないでやさしくして下さい。
N'aie pas peur, je ne vais pas te manger.
怖がらなくても食べないよ。
Ayez du courage.
勇気を持って!

接続法にそっくりですね。

2009年8月15日土曜日

前未来形例文集

(お昼2時くらいに帰ると聞いて)
Tu auras rien mangé. Je te mettrai quelque chose de côté, ne t'en fais pas.
(到着した時間には)何も食べてないでしょ、何か残しておいてあげるから心配しないで。
*Tu ne mangeras rien. だと「何も食べないよね」ということで、昼食は抜き!

(おかあさんが子供に)
Quand je reviendrai, tu auras fait tes devoirs.
帰って来る頃までには、宿題やってしまってなきゃだめよ。
*tu feras tes devoirs. だと、帰って来るまでに宿題をしてはいけないことになる。

Je te téléphonerai quand je serai arrivé(e).
着いたらすぐ電話するね。
*quand j'arriverai. だと「到着という行為の完了」が感じられないので、少し不自然。

(クリスマス前夜におかあさんが子供に)
Dors bien. Le papa-Noël t'aura apporté ton cadeau quand tu te réveilleras.
*Le papa-Noël t'apportera ton cadeau... だと子供が朝起きたらサンタさんがプレゼントを持って来ることになる。

騙されたと思って使ってみて下さい。要するに「未来完了」です。

2009年8月14日金曜日

前未来形の勧め

前未来形って知ってますか。
教科書には必ず出てくるし習っているはずなんだけど、どうやら人気がない様です。どうしてだろう...

あとよく聞かれるのが「本当に使うの?」「使わなくてもいいでしょ」

だめです!ちゃんと使って下さい。

活用は「複合形活用」です。
すなわちavoirまたはêtre + 過去分詞 という形を取る訳ですね。

「単純形活用」とは、動詞の語尾が主語に応じて変化するものを言います。
いわゆる現在形、半過去形、単純未来形、などがこれに当たります。
「複合形活用」とは、(êtreまたはavoirの)助動詞と活用させたい動詞の過去分詞の組み合わせで構成されます。
複合過去形、大過去形、前未来形、などがこれに当たります。

フランス語の「複合形活用」はよくできていて、活用させた助動詞の時制の時点に置ける完了を表すのです。
例えば複合過去(êtreまたはavoir現在形 + 動詞の過去分詞)は、「現在」という時点に置ける完了を表すのに用いられるという訳です。

J'ai pris mon goûter.(avoirが現在形です)

は、「今」よりも以前にprendre mon goûter(おやつを食べる)という行為が完了したことを表します。

現在形−複合過去形、半過去形−大過去形、単純未来形−前未来形
こういう組み合わせだと考えて下さい。

ということは、êtreまたはavoir単純未来形 + 過去分詞(=前未来)は未来の時点で完了したことを表すのに使われるのかな?

ご名答です!
この形を「前未来形」と呼びます。

A quelle heure tu reviendras ce soir, ma fille? Quoi, à 21 heures? On aura tous dîné.
Je te ferai signe dès que je serai revenu de France.
A 16h, le film aura probablement commencé. J'ai peur que tu rates le début.

「近接未来形」と組み合わせることはできません。
純粋な動詞時制ではないので、ね。

「複合形活用」を使いこなすことがステップアップのひとつの道です。

2009年8月13日木曜日

いい天気ですね

いい天気ですね。
Il fait beau.

その通りです。じゃあこんな場合はどうでしょうか。

いい天気ですね。どこかにお弁当でも持って出かけませんか。
Il fait beau. Ça vous dirait de piqueniquer quelque part?

う〜ん、もっといい形容詞があるような気がします。

この場合beauは「晴れている、青空である」ということのみを意味します。文字通り「天気がいい」のです。
真冬の寒い日の朝の一言、梅雨の晴れ間を見た時の一言... 可能ですね。

気候に関しては全く言及していません。お出かけするなら天気だけではなく天候も重要でしょ!?
そんな時に登場するのはユーティリティー形容詞 bonくんです!

Il fait bon! これで完璧です。

ではIl fait mauvais. はいったいどちらなのでしょうか。
天気のみに言及しているのか天候にも配慮した表現なのか。

正解はあえて言えば「両方」ではないでしょうか。
人は欲張りなので「bon=良い」というにはいくつものハードルを用意するのですが、「mauvais=悪い」というにはマイナス点がひとつでもあれば「ダメ!」と言ってしまう傾向にあります。

主に天気に言及していると言えますが、曇っている、肌寒い、晴天ではない、暑すぎる...
これだけで Il fait mauvais! という可能性は十分にあるのです。

南フランスでは昼間は誰もIl fait bon. とは言いません。
夕方日が沈む頃テラスに座り一息ついてやっと、

Enfin, il fait bon à cette heure-ci.
と言うのです。

2009年8月12日水曜日

monterを考える。

monterは自動詞用法しかない!と思っている人、辞書を開いてみましょう(ぼくには辞書は「開く」ものであって「キーを押さえる」のもではありません)。

いろいろでてきましたよね。

自動詞用法だけでも「上る、昇る、登る」だけじゃないことに気づくはずです。(一般には助動詞はêtreです)
他動詞用法も見てみましょう。(助動詞はavoirです)

直接目的語を取る動詞を「他動詞」と一般には言います。
様々な種類の目的語が登場しますね。

monter +
 le meuble(家具を組み立てる)
 les œufs(卵を泡立てる)
 le téléphone(電話を組み立てる/電話を持って上がる)
 la société(会社を設立する)

monter l'escalierもmonter par l'escalierも両方正しい組み合わせなのですが、ニュアンスが違います。
「階段上る」と「階段登る」の違いと同じです。

何となくわかりますが、説明するって難しいですね。

2009年8月11日火曜日

比較を考える1

いわゆる比較級は、
plus / aussi / moins + 形容詞か副詞 + que + 比較対象 でしたね。
(7/18のブログでも少し書きましたね)

ではその形容詞か副詞はどのように選ぶのでしょう。

まず「話題」を表す主語があります。主語は「話題」ですよ、気をつけて!
その主語が que 以下で表現される対象に比べて「どうか(形容詞や副詞で表す)」ということを一文で表現しようとしているのが、plus / aussi / moins + 形容詞か副詞 + que + 比較対象 なのです。

従って真夏にfroidという形容詞は使えないし、気温が25度以上ない限り真冬にはchaudという形容詞は使えないですね。
加護ちゃんと辻ちゃんがどちらの方が背が高いか?という時にはぼくならgrandeは使いません。
同様に「今日35度で明日は30度らしいよ」なんて時にもfroidは不自然です。

じゃあどうするんでしょう。
そんな時にmoinsの登場なのです。日本語には「マイナス」の表現があまり十分には用意されていません。
訳そうと思わない方がいいですよ。不自然きわまりない日本語になってしまうこと、請け合いです。

Kago-chan est moins petite que Tsuji-chan. (事実は知りません)
Il fera moins chaud demain qu'aujourd'hui.
あえて訳すと:明日は暑さはマシのようだね。

「あの人上手に話すねえ」は言えても「あの人下手に話すねえ」はそれこそ下手な日本語でしょ。

2009年8月10日月曜日

誰を?何を?

Wow, quelles jolies photos! Où as-tu pris ces photos?
 × - A Paris, j'ai pris ces photos.
 ○ - J'ai pris ces photos à Paris.

à Parisを文頭に置くと既知の情報と理解されてしまい、伝わることはces photosになってしまうことはもう読者にはおなじみのことですね。

○の方の文は完璧ですね。一番伝えたいこと「à Paris」も最後に置かれています。
じゃあもっとスッキリとした文にするにはどうすれば良いでしょう。
そんな時には代名詞の出番ですよね。

一度使われた直接目的補語の代名詞はle、la、lesに代わるのでしたね。
ces photosは限定された直的目的補語の女性形複数の名詞なのでlesを選択しましょう。
位置は「一番関係の深い動詞の直前」でしたね。

Je les ai pris à Paris.

惜しいです。あと少し!

1. 直接目的補語であること(間接目的補語は関係ありません)
2. 動詞が複合形であること(avoirまたはêtre +過去分詞)
3. 当該の直接目的補語が動詞よりも手前に置かれていること

以上の三つの条件が整えば、過去分詞を直接目的語に性数一致をさせなければなりません。

すなわち、
Je les ai prises à Paris.
となる訳ですね。

以下のような文も同様です。

Regarde ces lunettes que j'ai trouvées à Tokyo.
C'est bien la carte postale que je t'ai envoyée il y a bien des mois. L'as-tu reçue ce matin?
Combien d'années avez-vous passées en France au total?
As-tu invité tes parents à la fête? - Bien sûr que non, je ne les ai pas invités.
Nous lui avons souvent téléphoné mais, eux, ils ne nous ont jamais rappelés.

多くの場合音に変化はありませんから気づかないですが、fait、pris、misなどの基本動詞の過去分詞には注意が必要です。

2009年8月9日日曜日

誰に?

あの彼に言ったんですよ!
J'ai dit ça à lui.

上記の文が誤用であることはわかりますよね。
動詞の間接目的語が代名詞である場合は、その代名詞と一番関係が深い動詞の手前に置かれるのが通例ですね。

Je lui ai dit ça. となります。

Je vais lui dire ça.
Je lui dirai ça.
Je n'ai pas envie de lui dire ça.
も同様ですね。

でも強調したい時にはどうしましょう?文の最後に来ていないので既知の情報として扱われ、重要度は低くなってしまっています。そんな時に登場するのが7/12のblogにも登場した強調構文C'est --- que ~」であるのはわかりますね。
じゃあ、C'est lui que j'ai dit ça. でいいのでしょうか。

この場合はluiが強制形でなく間接目的語であることをはっきりさせるためにà +代名詞の形を取るのです。

C'est à lui que j'ai dit ça. ですよ。

確か間接目的語のluiは「彼女に」の意味にもなるんじゃなかったっけ?
ご名答!その時には

C'est à elle que j'ai dit ça. となります。

ただこんな風に代名詞を使い続けないで
C'est à Sophie que j'ai dit ça.
と言えばよりわかりやすくていいのです。

大事なことは「言いたいことを誤解されないように相手に伝えること」ですからね。

2009年8月8日土曜日

コンテクストは大事ですね。

どういう場面で誰が何について話しているか... それを「コンテクスト」と言って構わないと思います。
とっても大事ですね。

Ça va chauffer.
という表現があります。訳すとすれば「あつくなる」でしょうか。

もちろん温めているおまんじゅうが後10分で食べられるよ!という時にも使えるのですが、昨日膝をぶつけて痛めた人がこの台詞を言ったらどうでしょうか。

そう、全く違う意味になります。
「これから悪くなりそうだ」とでも訳しましょうか。

空を見上げながらこの表現を口にすると「暑くなるね」という意味ですね。

名詞ひとつでも気をつけないととんでもないことになります。
例えば「une boîte」。もちろん第一義は「箱」で間違いないのですが、

Si on allait danser dans une boîte ce soir?(〜に今晩踊りにいかない?)
だと「ディスコ」という意味ですね。

Je travaille dans une boîte française.(フランスの〜で働いています)
だと「会社」という意味で使われます。

前後をちゃんと理解することが大事なのです。

2009年8月7日金曜日

代名動詞を使ってみよう。2

普段使っている動詞も代名動詞として使われることがよくあります。
けっこう便利な表現に変わりますよ。

Ça se mange, ça!?
(これって食べられるものなの?)ら抜き言葉は嫌いです、念のため。
Ça se boit comment?
(これはどうやって飲んだらいいのですか)
Ça se dit en français?
(この表現はフランス語では使われますか)
Ça ne se fait pas au Japon.
(日本ではそういうことはしてはいけません)
Ça se voit.
(見たらわかるよ、なるほど)
Ça ne se vend pas.
(これは売り物ではありません)

納豆を初めて見る人や、カルピスを間違えて買ってしまったフランス人、授業中に自分の表現に自信のない時、人前で鼻をかむフランス人... 応用範囲は広いですね。

基本動詞は辞書のしっかり隅から隅まで目を通しましょうね。

2009年8月6日木曜日

代名動詞を使ってみよう。1

朝起きた、夜寝た、お互いに電話をする、知り合う... この用法の代名動詞はおなじみですね。
前半2つは「再起用法」後半は「相互的用法」なんて呼ばれます。

そうではなく、日常何気なく使われている代名動詞の用法があるのです。

1. Ça se mange tout seul.
2. Ça s'écrit tout seul.
まあもちろんça は目の前にある食べ物やペンなどをさすのですが、それでも分かりにく表現です。

1. は目の前にある食べ物を口に入れると非常に食べやすく、味もよく、自然なのどごしで、すっと胃に収まっていく感じを表しています。
2. は今使っているペンがとても書きやすく、力を入れなくてもペンがスーッと紙の上を滑り、この上なく書きやすいことを表しているのです。

Ça se boit tout seul といって、あまり口当たりのよいアルコールを飲み過ぎないように。

2009年8月5日水曜日

太った、痩せた?

旅行から帰ってくると、2キロくらい太っていることがありますよね。
そんな時にはこんな風に言いましょう。

J'ai pris 2 kilos pendant les vacances.

そう、わざわざ「太る」をダイレクトに言い表すgrossir は使わなくていいのです。
使うとすれば、「変化量のde(命名は筆者です)」を使う必要があります。

J'ai grossi de 2 kilos.

痩せるのはとっても難しいですが、フランス語の文の作り方は太る時と同じです。

J'ai perdu 2 kilos.
J'ai maigri de 2 kilos.

「変化量のde」は興味深いですよ。

L'avion est retardé de 30 minutes.
Ma montre avance de 2 minutes par semaine.
La taxe augmentera sans doute de 2-3 % d'ici 5 ans.

簡単な前置詞ほど奥が深いですね。

2009年8月4日火曜日

chezの不思議

〜(お店の名前)に買い物に行きましょう。

On va faire des achats chez Carrefour!
J'ai mangé un cheesburger et une frite chez Macdo.
... と最近は、世間に認知された商店名の前にはchezが使われるようになって来ています。

一般的にはchezの後には「人を直接的または間接的に表す名詞」が来るのです。

chez Alain、chez le médecin、chez le coiffeur... といった具合です。
chez nousなんて表現もよく見かけます。もちろん「私たちの家で」を意味することが多いのですが、場面によっては「私たちの学校では」「私たちの国では」と、話している人が所属している組織や団体の人たちをひっくるめて言うこともできます。

さっきおもしろい会話を耳にしました。と言うか間違えて理解してしまいました。

On va acheter un lecteur de DVD chez Boulanger. Tu viens avec moi?
えっ、最近はフランスのパン屋ではDVDプレーヤを販売しているのか!?

違うのです。近頃幅を利かせている家電量販店にBoulangerというチェーン店があるのです(恥ずかしながら不勉強で知りませんでした)。
もう一度言ってもらうと、確かにchezの後にパン屋を指しているならあるはずのle がありません。
聞き落としていたのです。

aller chez le boulanger
aller chez Boulanger
パンを買おうと思って道を尋ねたら家電量販店を教えられたり、アイロンを買おうと思ってたどり着いた店がパン屋なんて、笑うに笑えません。

chez、恐るべし!

2009年8月3日月曜日

昨日到着したばかりです。

「〜したばかりです」
はフランス語ではどう表現されるのでしょう。

例えば:
昨日フランスに到着したばかりです。
Je viens d'arriver en France hier.

???何かがヘンです(通じますよ)。

「近接過去形=venirの直説法現在+de+動詞の原形」は直前の過去を表すのに使われますが、あくまでも時制としては「現在」なのです。従って明らかに過去を表すhierやil y a 10 minutesは一緒に使えないのです。

結果は:
Je suis arrivé(e) en France hier.やC'est hier que je suis arrivé(e)と、あくまで複合過去を使わなければいけません。

昨日ということを強調したい場合はne - queやà peineなどが使われます。
Je ne suis arrivé(e) en France qu'hier.
Je suis arrivé(e) en France à peine hier.

近接過去の用法は少し乱れて来ているようで、話し言葉では過去を表す副詞と使われることが少しずつ増えて来ているような気がします。
ただ、間違いは間違いです。

2009年8月2日日曜日

〜好きです。2

1. 電車大好きです。
(友達には鉄ちゃんと呼ばれ、0系新幹線がなくなって寂しいです)
2. 電車大好きです。
(お酒を飲んでも帰れるし、寝ても大丈夫でしょ)

この2文は何が違うのでしょう。
1.はいろいろな電車を比べていますよね。あの電車の曲線がたまらないとか、この車両は川崎重工で作られたとか、ホームで流れる音楽にまで注目しているかもしれません。すなわち電車を数えているのです。
2.は比較対照は電車ではなく、あくまで他の交通手段ですね。移動するのに車が良いか、電車が良いか、バスが良いか... 電車を「個体」として見ていないために数えていないことが分かります。複数という「数」の概念を持ち込むことは難しいですね。

結果としては、数えている方=一つ一つの個体を意識している1.の文は複数で表現されます。
1. J'aime beaucoup les trains.
個体を意識していない=数えていない2.の文は単数で表現されます。
2. J'aime beaucoup le train.

ねえ、タクシーで帰ろうよ。
 - 電車の方がいいよ。
On prend un taxi pour rentrer, non?
 - Je préfère le train. です。

ギター(楽器)にも同じことが言えます。
コレクターは複数を、音楽としてギターを愛している人は単数を使って見ましょう。
皆さんはどちらですか。

2009年8月1日土曜日

2時間本を読みました。

「〜の間」を表す時の前置詞はpendantでしたね。

A Paris, j'ai étudié le français pendant 1 an.
この例文はもう覚えましたか。

ではこの場合はどうなるでしょう:
「昨日2時間で宿題をしました」

この例文の場合は結論が明らかです。2時間「で」宿題ができた、という「完了・終了」の行為を表しているのです。すなわち「終った、できた!」ということですね。

この場合は:
J'ai fait mes devoirs en 2 heures. となります。

「昨日2時間でこの本を読みました」
J'ai lu ce livre en 2 heures hier.
となるのですねえ。

ここで pendantを使うと、
J'ai lu ce livre pendant 2 heures, mais j'en suis toujours dans le permier chapitre.
(この本を2時間読んだけど、まだ1章の途中です)
という事になってしまいます。

前置詞 enは「完了・終了」するのに費やされた時間を表すのに使われるので、当然finirやterminerとは仲良しです。
J'ai fini ce livre en 2 heures.(読み終えた)
と表現することもできます。

つまり、著者も含めて学習途中の皆さんは
J'ai appris le français en 5 ans. (学習に終わりはありませんからね)とも言えないし、
J'ai appris le français pendant 5 ans.(学習したけど今はしていない)
とも言えないのですね。