2015年3月6日金曜日

暑がり、ってなんて言うの?

いろんな言語には「穴」があるのです。

友達の美千代は上手にフランス語を話すんだよ。
Mon amie Michiyo parle bien français.

この反対の日本語はなんでしょう?
下手に話す?

そんな日本語はないですよね。
フランス語では、
Elle parle mal français. です。

Cet étang est peu profond.
この池は浅い。

あれっ?
「浅い」と言う形容詞はどこにあるの?
そう、実はフランス語には存在しないのです。
「深くない」と言う表現をすることで「浅い」を表すのです。

寒がり=frileux/frileuse
    ↕︎
暑がり=???

値段が高い=cher
    ↕︎
値段が安い=???

(空間が)広い=spacieux
    ↕︎
(空間が)狭い=???

日本語にも「穴」はたくさんありますよ。

探してみましょう!

そもそも日本語ではspacieuxに当たる単語がない...

2015年3月4日水曜日

結婚する(変化)と結婚している(状態)

1-a se marier
1-b être marie

2-a s'asseoir
2-b être assis

3-a s'allonger
3-b être allonge

4-a se lever
5-b être debout

5-a naitre
5-b être en vie

6-a mettre
6-b porter

7-a divorcer
7-b être veuf/veuve

1-a Je me suis marié(e) le mois dernier.
1-b Je suis marié(e).
は多くの場合同じ状況を表しますよね。
去年結婚した=今日現在、既婚者である。

「多くの場合」というのは常識的な判断であって、文法的には全く違うことを表しています。
1-aはいつ結婚式をあげて届けを出したか、ということにしかふれていません。
新婚旅行中に何か事件が起こって、帰国次第役所に直行し離婚届を提出した可能性もあるのです。
1-bは今既婚者であるという事実を述べているに過ぎません。
いつ結婚したのかを伝えるには現在への継続を意味するdepuisという前置詞の助けが必要ですし、式当日のことに触れることはできません。

上記のリストのaの動詞は、全て「変化」を表します。
座る、横になる、立ち上がる、生まれる、着る(身につける)、離婚をする

bの動詞は、「状態」を表します。
座っている、横になっている、立っている、生きている、着ている(身につけている)、離婚後1人である

では、Je m'assois.と変化の動詞は現在形だとどういう意味を持つのでしょうか。

多くの場合、「今からこうします、もしくは今からこうしなさい」という意味ですね。

Je m'allonge un peu, parce que je suis fatigué.
疲れたから少し横になろう。
Tu mets ton bonnet pour aller jouer dehors.
(お母さんが子供に)出かけるなら帽子かぶりなさいよ。

2015年2月3日火曜日

お風呂に入るは?

Je prends le bain でしょうか。
Je prends un bain でしょうか。

文法的にはどちらも正解です。
ただ文法的に正しい文であることと、使う場面でその表現が適切であるかは、全く別の問題です。
どんな状況で話しているかということを考えると、自ずから選ぶべく「正解」は決まってきます。

毎日ほぼ同じ時間に決め事として入浴をする事はありますか?
普段の暮らしではないですよね。

考えられるのは、小学生の修学旅行か、親が子供のスケジュールを管理している場合か、不幸にも塀の向こうに行ってしまった時でしょうか。

この場合は
Je prends le bain. が適切です。

一般的には、お風呂は入りたい時に好きなだけ入っていてもいいものですよね。
入らないことだってあるし、二回入っても、特に問題はないはずです。
そこに「決め事」は存在しません。自由ですよね。

こんな場合は、
Je prends un bain. が適切です。

では「晩ごはんを食べる」は?

そう、Je prends le dîner. が普通でしょうね。
夜に食事を取るものと言う事が「普通は」決まっているし、だいたい毎日同じ場所で食べますよね。
しかも、二回食べることはまずないはずです。

では、決め事ではない普段と違う場所での夕食って...

そう、お呼ばれとかパーティーなどが今晩あったら、
J'ai un dîner ce soir. と言うのですね。

もし誰かが
”J'ai le dîner ce soir"といったら
「えっ、(出てくるはずの)晩ごはんがないことってあるの!?」
っと突っ込みたくなります。

決め事として温かい食事が取れる幸せに、感謝しています。

2015年2月2日月曜日

感嘆文!

英語で「感嘆文」を習った時に違和感がありました。

What a beautiful girl!「何と美しい女の子なんだ!」
こんな日本語は自然ではないので、この英語は使われるのだろうか?

フランス語でも「感嘆文」は存在します。
そしてフランス語を学習してわかったことがあります。

日本語訳が不自然であることと、その原文の使われる頻度とは何の関係もないこと。
単に日本語に対応する表現方法がないだけなのです。

C'est très bon!
Tu es très belle!
Il chante très bien!

これらを感嘆文に変える方法は以下の通りです。

「trèsを言わないで、その代わりに文頭にQueもしくはQu'est-ce queを置く」
たったこれだけです。

Que c'est bon!
Qu'est-ce que tu es belle!
Qu'est-ce qu'il chante bien!

訳は「何とおいしいんだろう」かも知れませんが、フランス語では極めて頻度の高い日常表現です。

Qu’est-ce que c'est facile!

la confiture de fraisesかla confiture à la fraiseか?

"de"にはいくつかの用法がありますが、タイトルのla confiture de fraisesは「主原料のde」と解釈をされます。
いわゆる「いちごジャム」ですね。

閑話休題。
ほぼ日本語にもなっている"le café au lait"はどういった用法なのでしょうか。
la tarte au chocolat(チョコレートタルト)
la tarte aux pommes(リンゴタルト)
le pain aux raisins(レーズンパン)
le canard à l'orange(鴨のオレンジ煮もしくはオレンジソース)
これらも同じ用法です。
(à+le=au、à+les=aux... この文法事項は大丈夫ですね?)

名詞の後に置かれる"à"は名づけて「副材料(おまけ)の"à"」です。
コーヒーの主原料はもちろんコーヒー豆で、ミルクを入れなくても既に飲み物として成立しますよね。
タルトもパンも主原料は小麦粉で、鴨肉は言うまでもなく肉の名前です。

そこにどんなもので「彩り、香りづけ、味付け、をするのか」を"à"で説明するのです。

ミルク(lait)入り(à+le=au )のコーヒー(café)
レーズン(raisins)入り(aux)のパン(pain)
オレンジ(orange)の香りをつけた(à l')鴨肉(canard)

la tarte au chocolat(単数)とla tarte aux pommes(複数)の使い分けはそれをちょっと頭に浮かべてみてください。

チョコレートに複数の概念を感じますか?
数えられるチョコレートの映像がみえますか?
→NONですね。

りんごはタルトの上に固形で存在していますよね。
これが使い分けの根拠です。

ではタイトルにあるla confiture à la fraiseはどういう意味でしょう。
"de"は主原料なので「いちごジャム」ですね。
"à"なので「彩り、香りづけ、味付け」されたジャムとは何でしょうね。

そう、給食の時に出た「イチゴ風味の、イチゴ色の」おいしくないジャムのことです。

今考えると子供時代に飲んでいたオレンジジュースはどう考えても
le jus à l'orangeですね。
懐かしいな、バヤリース...

2015年1月30日金曜日

une bouteille de vinとune bouteille de glace

この2つの表現の"de"は同じでしょうか?

常識的に判断すれば「違います」ね。
une bouteille de vinは「ひと瓶のワイン」
une bouteille de glaceは「氷でできた瓶」
ですね。

"de"には第二の用法があるのです。
名づけて「主原料のde」です。

ワインでできた瓶は考えにくいですよね。
そこで「主原料のde」の登場なのです。

une bouteille de glace
un blouson de cuir(革ジャン)
de la confiture de fraises(いちごジャム)

がこの用法に当たります。

屁理屈をこねれば(こねなくても)
une cuillère d'argentは
1.スプーンいっぱいの銀
2.銀製のスプーン

両方の解釈が可能ですよ。

un verre de vinかun verre à vinか?

このふたつはどう違うのでしょうか?

"de"の左には単位や量を表す単語がきて、右には中身や実質的な物が置かれます。
un littre de lait
une cuillère de sucre
beaucoup de bièreもこの仲間ですよ。

"à"の左には容器や形を表す単語が来て、右には目的を表す単語が置かれます。
une cuillère à soupe(大さじ)
un moulin à café(コーヒーミル)
un moulin à vent(風車)

ということは、
un verre de vinはグラスワイン
un verre à vinはワイングラスですね!

パリのカフェで「空のグラス」を注文しないようにしましょうね。

名詞と動詞の組み合わせ

悪夢(un cauchemar)を見る
決心(une décision)をする
叫び声(un cri)をあげる

これらを日本語に訳した時に、どのような動詞が選択されるでしょうか?

「見る」だからregarderかvoirかな。いや夜だからrêverかな。
「する」はfaireでしょう。
「あげる」はleverか、言うと考えればdireも使えるかな。

残念ながらどの組み合わせもフランス語では使うことができません。
faire un cauchemar
prendre une décision
pousser un cri
が正しい表現です。

「えー難しい!」って声が聞こえてきそうですが、これらの表現が身に付いているフランス人が日本語を学ぶ時も同じ(逆だけど)苦労をするのですよね。
まあお互い様です。

朝ごはんを食べる、病気になる、妊娠をする、春が来る…

調べてみましょうか。

2015年1月20日火曜日

"chez"の不思議

フランス語には(日本語や英語と比較をすると)不思議なと言うかオモシロイ現象に出くわすことがあります。

chezがその一つです。

辞書を見ると「前置詞」と分類されています。
品詞分類上はà, avec, pour... などと同じということですね。

Je pars à(またはpour) Tokyo.
Je pars avec mes parents.
Je pars chez toi.(君ん家に出発する)

全部文法的に正しい文ですね。

じゃあ自分の家を出発する、ってどう言うのでしょう?
正解は…

Je pars de chez moi.
なんですねえ。

しかしJe pars de la maison.
とも言えるので、この二つの同じ意味を持つ文ではchez moi = la maisonと言う構図が成立します。
あれっ? chez moiは名詞なんだろうか?と言うことは下記のような文が作れるのでしょうか?

Chez moi est joli.

残念ながら、間違った文=非文です。
⚪︎ La maison est jolie. は正しいですよ、もちろん。

どうやら前置詞deとのみ併用可能のようです。
en face de chez vous
à côté de chez nous...

興味深いですね。

2015年1月14日水曜日

時の表現(前置詞はいるの?)

「2015年に」「今朝」「今週末に」… どんなふうにフランス語では使われるのでしょう。

前置詞が使われるタイプ:
・à 7 heures(7時に)
・en janvier(1月に)
・en 2015(2015年に)
・au printemps, en été, en automne, en hiver(春に…)
・dans la matinée/l'après-midi/la soirée(午前中に…)
・il y a 8 jours(一週間前に)
・dans 15 jours(2週間後に)
・d'ici un mois(1ヶ月以内に)
・au vingt-et-unième siècle(21世紀に)

前置詞なしで使われるタイプ:
・le matin/soir(普段朝/夜には)
・ce matin, cet après-midi, ce soir(今朝…)
・cette semaine, ce mois-ci, cette année(今週…)
・aujourd'hui(今日)
・hier(昨日)
・avant-hier(一昨日)
・demain(明日)
・après-demain(明後日)
・ce week-end(今週末)
・samedi(土曜日に)
・le samedi(普段土曜日には)
・samedi prochain(次の土曜日に)
・samedi dernier(この前の土曜日に)
・la semaine prochaine(来週)
・la semaine dernière(先週)

区別をして覚えましょう!