2009年9月26日土曜日

古い車はぼろい車ではない!

J'ai une vieille voiture.

この車はどんな車なんでしょう。
「古い」ことに間違いはないのですが、古くて使い物にならないのか、昔からずっと乗っているのか、コレクターが集まって試乗会を開いてしまうような価値のある車なのか。

一般的に名詞の手前にvieuxが置かれると、発話者または所有者との関係が長いという意味になります。

Cette vieille voiture marche bien.
この古い(古くから乗っている)車は調子良く走るんだよね。

人に付けても同じです。

Je suis allé boire un coup avec mon vieux copain de lycée.
高校時代の旧友と一杯飲みに行きました。

名詞の後ろに置かれると、車だと「ぼろい」人だと「年を取った」家だと「すきま風が一杯(例えばですよ)」というニュアンスを持ちます。

Ma voiture vieille est tombée en panne sur l'autoroute.
ぼくのおんぼろ車が高速道路でエンストを起こしたんだよ。

J'ai un ami vieux, qui apprend le français.
年寄りの友だちがいるんだけど、フランス語を学んでいるんだよね。
(人間に付ける時はâgé の方が優しいですね。年は「重ねた」方がいいでしょ)

ちなみに、vieuxが母音で始まる男性名詞の手前に置かれる場合はvieilに変わります。
音を繋いで読むことができるように、男性形 vieux と女性形 vieille の中間点を取るのですね。

un vieil ami → quelques vieux amis
un ami vieux → quelques amis vieux (変化なし)

古いことが必ずしも悪いことではないのですね。

2009年9月25日金曜日

一粒で二度おいしい?

学習していると言いたいことに対応した表現を覚えるだけで精一杯ですよね。
それはわかるのですが、そこを歯を食いしばって言いたいことに対応した表現を「二つ」持ってみてください。

風邪をひきました。
Je suis enrhumé(e).
J’ai un rhume.

頭が痛い。
J’ai mal à la tête.
J’ai un mal de tête.

疲れた。
Je suis fatigué(e) / Je me sens fatigué(e).
Je suis épuisé(e).

どこかに遠出をしたい。
Je voudrais partir en vacances.
J’aimerais partir en vacances.

この本は読む価値がある。
Ça vaut le coup de lire ce bouquin.
Ça vaut la peine de lire ce bouquin.

帰ってきたらすぐに電話するよ。
Je te téléphonerai dès mon retour.
Je t’appellerai dès mon retour.

ダイエット中です。
Je suis au régime.
Je fais un régime.

二つの表現を交互に使えば、同じことばかり言ってるという風には思われないし、表現力がついた気がするものです。
いや、これを「表現力がついた」というのです。

2009年9月23日水曜日

仕事疲れた...

Je suis fatigué(e) は「疲れた」と言うことですよね。
昨日のブログに登場した「過去分詞は形容詞」の一例としてあげた通りです。

では、Le travail est fatigué. は言えるのでしょうか。

辞書で少し上の項目を見ると「疲れさせる、骨の折れる」という意味のfatigantという形容詞もあります。

よく見れば、fatiguéは過去分詞、fatigantは現在分詞である(あった)事はわかるのですが、他の対の単語「intéressé - intéressant」「frustré - frustrant」「déçu - décevant」「ému - émouvant」「surpris - surprenant」にも応用できる何かルールのようなものはないのでしょうか。

過去分詞は「être + 過去分詞」の組合せで受け身の文を作りますよね。

Je suis invité ce soir par mes beaux-parents.
(今夜義理の両親に招待されています)

Je suis décu(e).

そもそも動詞 décevoir は「〜 をガッカリさせる」という意味なのです。
par + ~(〜によって)の部分を言わなくてもガッカリしているという気持ちは充分に伝わります。
(言わないけど)誰かまたは何かによってガッカリさせられた→今その気持ちが続いている。

こういう風に形容詞としての地位を確立していったのだと思われます。

ではdécevantはどうでしょう。

現在分詞は過去分詞とは逆に能動(他に働き掛ける)の意味を持っているのです。
何かをされるのではなく、他に何かをする、という訳です。

Ce film est vraiment décevant.
この映画にはガッカリだよ。

見た人にdécevoir(ガッカリさせる)という影響を及ぼす訳です。

Je suis intéressé(e) par la langue française.
La langue française est intéressante.

Je suis très fatigué(e) à cause de ce travail.
Ce travail est très fatigant.

受動と能動、主語が影響されているか主語が他に影響を及ぼしているか...
こんなとらえ方で理解ができるはずです。

答は:言えません。いや、教えることができないという意味ではありません。
「間違い文」です。

2009年9月22日火曜日

座ったまま、立ったまま

今座った状態です(座っています)
Je suis assis(e) maintenant.

女性は当然形容詞のassisに性数一致の「e」を付けますよね。

一日中ずっと座ったままでした。
Je suis resté(e) assis(e) toute la journée.

「ずっと〜のままの状態である」はrester + 形容詞 で表現されます。
もちろん複合過去にするとresterもassisも性数一致をします。

Mes amies françaises sont restées assises pendant 12 heures de Paris à Osaka.

ではこれはどうなるのでしょう。

フランスのレジ係の女性は座って仕事をしています。

Les caissières travaillent assises(?) en France.
eやsは必要なのでしょうか。

動詞travaillerが「仕事をする」という意味を持ってはいるのですが、主語のles caissièresの働いている時の状態を表している文であることに変わりはありません。

この文が「S + V + C(主語+動詞+補語)」であるかどうかは議論の別れるところですが、ね。

日本ではレジ係の女性は立って仕事をしています。

Les caissières travaillent deboutes au Japon.

当然この文にも必要だと思いますよね。
ところが、こちらは不必要なのです。

deboutは副詞に分類されるので、性数一致はしません。

いや説明になっていないのはわかっています。ただこれ以外に説明しようがないのです。
assisは元々は動詞asseoirの過去分詞なので、性数一致をする。
deboutは何かが転化して生まれた単語でなく、本質的に副詞として生まれ使われて来たので性数一致という変化が適応されなかったのでしょう。

最後に、過去分詞や現在分詞は使われる頻度が増えると形容詞として認識されます。fatigué、surpris、pressé、intéressant、... と例をあげればキリがありません。英語のtired、surprised、interestingなども同様です。

2009年9月17日木曜日

男性名詞?女性名詞?2

フランス語を勉強していると、最初に「ややこしいなあ」と思うのが男性名詞と女性名詞の区別ですよね。

問:どうやって区別するの。
答:覚えるしかありません。

問:フランス人はどうしているの?
答:暮らしの中で(成長過程で)自然に覚えています。

問:全部男性名詞で使っちゃダメ?
答:だめではないですが、性別の区別がある方がヨーロッパの言語では普通なのです。むしろ英語が例外です。もちろん、特殊な例を除いて理解はしてもらえます。

問:新しい単語の性別はどうやって決めるの?
答:自然に使われていくうちに自然に決まっていきます。主に男性名詞になります。女性名詞として使われるには「強力」な理由が必要です。
tempuraは多くの場合「女性名詞」として使われます。同じ食べ物つながりのpazzaが女性名詞で、同じくaで終わっていますね。

問:どっちでもいい単語って存在しないの?
答:あります!昨日のブログに出てきたapres-midiを辞書で引いてみてください。
男(時に女)と書いてあるのです。では「その時は、いつ?」と思いますよね。
人によるのです! un apres-midi、une apres-midi、どちらも正解です。 

2009年9月16日水曜日

毎日と一日中

「週末はずっと家にいました」

Je suis resté(e) à la maison.
ここまではすんなり(?)思いつきましたね。

「週末」はなんと訳しましょう。
le week-end、ce week-end、le week-end dernier でも問題ありません。

では「ずっと」は?

こんな時には「tout le week-end」と言いましょう。
le week-end に丸ごとを表すtout を付けて使うとうまくいくのです。

Je suis resté(e) à la maison tout le week-end.
が、ひとつの正解ですね。

似たような表現にtous les week-endsがあります。
こちらは名詞が複数形で使われているので、この週末もあの週末も... というわけで「毎週」という意味になるのです。

Je reste à la maison tous les week-ends.
毎週末、家にいます。

時の表現にはこの「単数/複数」の対の表現が用意されています。

一(晩、年...)中 / 毎(晩、年...)
tout le week-end / tous les week-ends
toute la matinée / tous les matins
tout(e) l'après-midi / tous(またはtoutes) les après-midis
toute la soirée / tous les soirs
toute la semaine / toutes les semaines
tout le mois / tous les mois
toute l'année / tous les ans

On peut manger de bonnes huîtres toute l'année.(一年中美味しい生ガキが食べられます)
ありがたいですが、自然の摂理に逆らってますね。
On peut manger de bonnes huîtres tous les ans.(毎年美味しい生ガキが食べられます)
ずっとそうあって欲しいものです。

2009年9月12日土曜日

mardi? un mardi? le mardi? à mardi?

曜日名を文の中で使う時にどれを使うのでしょうか。
英語だったらon Sundayと前置詞が必ずありますね。

火曜日にフランスに旅立ちます。
Je pars pour la France / en France mardi.

3年前に主人と知り合いました。火曜日のことだったわ。
J'ai connu mon mari il y a 3 ans. C'était un mardi, je crois.

火曜日にフランス語のレッスンを受けています。
Je suis un cours de français le mardi.

じゃあ気をつけて帰ってね。(また)火曜日!
Sois prudent(e) sur la route. A mardi!

どう使い分けるのでしょうね。

mardi と曜日だけを時の表現として使う時は、一番近い火曜日の話になります。
動詞時制が未来を指し示している(現在形や未来形など)場合は今度の火曜日、過去を指し示している(複合過去や半過去など)場合はこの間の火曜日という意味ですね。

un mardi と不定冠詞のun が付いている時はとある火曜日(いつか忘れた、またはそれが重要ではない)を表します。

le mardiいつも決まって火曜日にはという事ですね。習い事や毎日違った行動をとっている人には有効な表現法です。

à mardi は別れの表現です。直前にはau revoir や Ciao があるはずですね。
à demain à la semaine prochaineも同様です。

ちなみに必ず小文字ですよ。

Chers lecteurs,
Bonne journée et à demain, en principe...

2009年9月11日金曜日

偽物の友達

英語の単語の6-7割がフランス語起源なのですが、長い歴史の中で使われ他の文化や言語と交わり、使用者が移動し、またそこの民族の持つ文化や言語とぶつかり...

結果的に「そっくりだけど言語によって意味が違う」単語のことをfaux ami(偽物の友達)と言います。

フランス語 - 英語
actuellement(現在) - actually(実際)
un car(観光バス) - car(車)
une conférence (講義)- conference(会議)
demander(頼む、尋ねる) - to demand(要求する)
la lecture(講読) - lecture(授業)
la monnaie(おつり、小銭) - money(お金)
la place(広場、座席) - place(場所)
un texte(文章) - text (教科書)

日本語とフランス語にもありますよね。
アンニュイとennui、クレヨンとcrayon

いろいろ探してみるのも勉強になるし、「フランス語-英語」のリストの反対リスト(教科書はフランス語では何というのか、文章は英語では何というのか)を作ってみるのも面白いかもしれません。

2009年9月10日木曜日

現在形の勧め

フランス語の限らずおそらくすべての外国語学習で、一番最初に学習する動詞の活用は「現在形」でしょう。
ただでさえややこしい動詞の活用を頑張って覚えたのに、まさかそれを「今のこと」を表現するだけに使っているなんてこと、ないですよね!?

もちろん現在形は「今進行中の行為、現象」や「現在の状態」「普遍の事実」を表現するのにつかわれます。

Qu'est-ce que tu fais maintenant?
 - Je regarde la télé.
いま何してるの?
 - テレビ見てるよ。

J'ai 43 ans et je vis toujours chez mes parents. Et alors?
43歳で相変わらず親元に住んでいますが、それがなにか?

La terre tourne autours du soleil.
地球は太陽の周りをまわっています。

少し前の変化を表すこともあります。

Tiens, il pleut.
雨が降ってきたよ。

Je commence à m'énerver.
だんだん腹が立ってきた。

Je commence à avoir faim.
おなかすいてきたな。

Tu es là depuis longtemps?
 - Non, j'arrive.
ずいぶん前からここにいる?
 - 来たばかりだよ。

確実な「未来」を表すのにも使われます。

Tu pars pour la France quand?
 - Je pars demain.
フランスにはいつ出発?
 - 明日だよ。

せっかく覚えた現在形の活用は、過去にも未来にも活きるのです。
お試しあれ!

2009年9月9日水曜日

二個いち

はさみ、靴、靴下、メガネ、コンタクトレンズ...
これらに共通することは、そう「二個一=2ケそろって一人前」ということですね。

Combien de chaussures as-tu acheté à Paris?
 - J’ai acheté 5 chaussures.

パリで靴は何足買ったの?
 - 5足だよ。

J’ai trouvé des chaussettes trouées. J’en ai jeté 3.
穴があいている靴下を見つけたから、3足捨てました。

ふつう靴は「2ケ」買うのが普通ですね。「5ケ」購入したとなると、片足の予備を買ったということでしょうか。

3ケの靴下を捨てたということは、片方には穴が開いていなくて、違う靴下と組み合わせて履くのでしょうか。

上記のような名詞を「1セット」という時にはune paire deという表現が便利ですね。

J’ai acheté 5 paires de chaussures.
J’ai jeté 3 paires de chaussettes.

質問する時も、

Combien de paires de chaussures... ?
が誤解のない自然な疑問文ですね。

ちょっと気になって調べてみました。
シャツやズボンはどうなっているのでしょう。

どうやら昔は複数形が基本であった時代があるようなのです。(英語ではtrousersですからね)
片一方だけを取り上げる機会が少ないために単数での使用が可能になっていったようです。

最近の変化としては、はさみ(= ciseaux)が単数形で使われることも増えてきました。

Tu as un ciseau à me prêter, stp?
(はさみ貸してくれない?)

これだから言葉の勉強は止められない!

2009年9月8日火曜日

c'est と il est

第三者を紹介する時に「彼は〜です」というつもりで、

Il est Jacques.

と言っていませんか。
厳密に言えば間違いですね。

初対面なので「目の前の男性」はまだ認識していない状態なのです。
いったん自分の意識に取り入れるためには「c'est」の扉をくぐらなければなりません。

C'est Jacques.
が適当ですね。

では話が進んで「彼は料理人で、料理が上手なのです」はどう言いましょう。

Il est cuisinier, et il est un bon cuisinier.

何かおかしいですね。

il est / elle est の後には「職業&社会的立場または国籍」を表す名詞のみが置かれ、「限定辞(冠詞や所有冠詞など)」は原則的に使われない

Il est cuisinier / il est professeur / il est japonais / elle est actrice...
は正しい文なのですが、

ils sont mes parents / il est un bon cuisinier / elle est ma prof / il est mon mari...
は不可なのです。

一般的には「c'est または ce sont」が使われます。
Ce sont mes parents / c'est un bon cuisinier / c'est ma prof...

または目の前にいる人を「代名詞」で言い換えるのはよく考えれば失礼なので、

Patrick est un bon cuisinier.
Agnès est ma prof.

と名前を使えば全てが解決します。
英語とは違うのです。

Bonjour. C'est Didier, mon mari. Il travaille pour le Monde...
こんな風によく紹介をされます。

2009年9月7日月曜日

〜する前に

Je suis sorti(e) faire une promenade avant le petit déjeuner.
(朝食の前に、散歩に出かけた)
Je sortirai faire une promenade avant le petit déjeuner.
(朝食の前に、散歩に出かけます)

「avant + 名詞」の表現は便利ですね。
主動詞(上の例文ではsortir)がどの時制で使われていても、全く影響を受けません。
(まあ名詞なので変化させ様がないのですが...)

もう一人登場させようと思えば、こんな表現も使えます。

Avant le retour de mon mari, j'ai/avais commencé à préparer le dîner.
(主人が帰って来ないうちに、夕食の準備を始めました)
Avant mon retour, mon mari s'est/était mis à mettre la table.
(私が戻る前から、旦那がテーブルセッティングを始めました)

では、「読む前に(読まないうちに)」「〜に電話をする前に」などのように動詞を使いたいときはどうすればいいのでしょうか。

この場合は「avant de + 動詞の原形」となります。
昨日のavant de とは違い「完了」の表現にする必要がないので「原形=不定詞」のままでよいのです。

Je prendrai un bain avant d'attaquer mes devoirs.
(宿題にとりかかる前にお風呂に入るよ)
On ne doit jamais boire avant de conduire, même pas une goutte.
(運転する前は決して飲んではいけません、一滴たりともです)

名詞や動詞の原形を使うことで解決できるならそれがいいのです。

ただし従属節の主語と主節の主語が違う場合は「avant que + 主語 + 動詞」の構文を使わざるをえません。
しかも!接続法を使うことが義務づけられています。

先生が怒ってしまう前に、(わたしが)自分で何とかして解決方法をみつけなければ...
Je dois absolument trouver la solution avant que le prof se mette en colère.

名詞や動詞で表現できない時のみ「avant que + 主語 + 動詞」を登場させて下さいね。

2009年9月6日日曜日

〜した後に

Je suis sorti(e) faire une promenade après le petit déjeuner.
(朝食の後に、散歩に出かけた)
Je sortirai faire une promenade après le petit déjeuner.
(朝食の後に、散歩に出かけます)

「après + 名詞」の表現は便利ですね。
主動詞(上の例文ではsortir)がどの時制で使われていても、全く影響を受けません。
(まあ名詞なので変化させ様がないのですが...)

もう一人登場させようと思えば、こんな表現も使えます。

Après le retour de mon mari, j'ai commencé à préparer le dîner.
(主人が帰って来てから、夕食の準備を始めました)
Après mon retour, mon mari s'est mis à mettre la table.
(私が戻った後で、旦那がテーブルセッティングを始めました)

では、「読んだ後で」「〜に電話をした後で」などのように動詞を使いたいときはどうすればいいのでしょうか。

この場合は「après avoir + 過去分詞/après être + 過去分詞」となります。
(après に続けて、複合過去の原形とも不定詞(=原型)の複合形と考えてください)
日本語の「〜した(完了を表す)」とフランス語の「avoir/être + 過去分詞」が対応していると考えてください。

Je prendrai un bain après avoir lu ce paragraphe.
(この章を読んだらお風呂に入るよ)
J'ai l'impression que mon fils a fait un cauchemar après s'être endormi.
(息子は寝付くとすぐに嫌な夢を見たようだ)
On ne doit jamais conduire après avoir bu, même pas une goutte.
(飲んだ後は決して運転してはいけません、一滴たりともです)

après que + 主語 + 動詞 はお薦めしません。
1. 動詞が活用しているので文が煩雑になる。simple is bestです。
2. 直説法か接続法か... 誰も答えが出せない。

名詞を使うことで解決できるならそれがいいのです。
わざわざ複雑な構文を使うまったく必要はありません。
単に「自己満足」にしか過ぎません。

2009年9月4日金曜日

寝ると眠る

日本語では普段は「寝ると眠る」を区別をして使っている人は少ないと思います。

昨日何時に寝た?
おはよう。よく寝られた?
シーっ!子供が寝てるから。

日常会話では主に「寝る」が使われている気がしますね。
フランス語に厳密な使い分けがあります。

(朝に)目が覚める⇔眠りに落ちる
   se réveiller ⇔ s'endormir
ベッドから出る⇔床につく
   se lever ⇔ se coucher
眠りに落ちてから目覚めるまでの間
   dormir

se coucher→s'endormir ~ dormir ~ se réveiller→se lever
こういう時間の流れですね。

Je me suis réveillé à 7 heures mais je me suis levé 30 minutes après. Il faisait tellement froid...
7時に目が覚めたけど起きたのは30分後。寒かったし...

J'ai eu du mal à m'endormir hier soir. Et je n'ai pas bien dormi.
昨夜はなかなか寝付けなくてね。よく眠れなかったよ。

昨日何時に寝た?
A quelle heure est-ce que tu t'es couché hier?

おはよう。よく寝られた?
Bonjour. Tu as bien dormi?

シーっ!子供が寝てるから。
Chut... Le bébé dort.

~時にdormirすることもできないし、~時間se coucherすることもできないのです。

Dormez bien. A demain!

2009年9月3日木曜日

しょっちゅう...って?

Vous voyagez souvent à l'étranger?
 - Non, je ne voyage pas souvent à l'étranger mais, je voyage de temps en temps.
外国旅行はしょっちゅうしますか。
 - いえ、よくという訳ではないですが、時々は出かけます。

文法的には全く問題はありません。
頻度の副詞(の単語 = souvent, rarement など)は、動詞の直後に置くのがルールなので位置の問題もありませんし、動詞の活用も正しくできています。

ただ会話にはなっていないですね。
会話とは「言葉のキャッチボール」なので、受けた会話の中に「発言者の常識」に拠った表現が多いと、受けた側は戸惑ってしまうのです。

しょっちゅう、時々、しばしば、まれに...

発言者の感覚と必ずしも同じではないのです。

高校生の「カラオケには時々行きます」と働いている大人の「時々」は明らかに頻度が違うし、裕福な方と一般人の「しょっちゅう海外旅行をする」は間違いなく5〜10倍の頻度の差があるはずです。

ではどうすればいいのでしょうか。

具体的に回数を伝える癖をもちましょう。

Je voyage souvent à l'étranger, 2-3 fois par an.

Je vais rarement au karaoké avec des copines, qui préparent leurs concours d'entrée. Elles n'ont pas le temps.
On ne chante que 2-3 fois par semaine, ce n'est pas beaucoup, non?
入試の準備をしていて忙しいので、友だちとはあまりカラオケには行きません。
週に2−3回ですね。少ないでしょ!?

国、立場、世代、環境... が違えば「常識」は違いますからね。

2009年9月2日水曜日

「多くない」少しと「多い」少し

話者が多くないと思っている数えられる名詞につく「少し」はquelquesが対応するのでしたね。

As-tu beaucoup de sacs comme ça?
 - Non, j'ai quelques sacs dans ce style. J'en ai 3 (= J'ai 3 sacs).

じゃあこの場合はどうでしょう。
As-tu une voiture?
 - Oui, j'ai une Mercedez et une autre Prius. J'ai quelques voitures.

何かが変です。

そう、quelquesという不定形容詞は暗に「少ない」という意味を持っているので、「2台も」持っていることを表現するのに使うと不自然なのです。

では「多い」ということに対応する「少し」という表現はあるのでしょうか。

こんなときには plusieurs の出番です。
J'ai plusieurs voitures = J'en ai plusieurs. がふさわしいですね。

名詞の数が「多い」と判断するのは話者なので、いくつ以下がquelquesでいくつ以上がplusieursという決まりはありません。
話し手が「少ない」と思えば10という数もquelquesの対象になりえますし、「多い」と判断すれば2という数でもplusieursが使えます。

時計マニアの発言なら、
J'ai quelques montres. Je n'en ai que 8.
時計はあまり多くないんだよね。8本だけです。

一般人なら、
J'ai plusiuers montres. J'en ai même 3!
時計多く持ってるよ。3本も!

こういう使い方が自然でしょうね。

2009年9月1日火曜日

多い少ない

1. Je bois beaucoup de café tous les matin.
(朝はコーヒーをたっぷり飲みます)
2. Je bois un peu de café tous les matins.
(朝はコーヒーを少し飲みます)
3. Je bois peu de café tous les matins.
(朝はコーヒーをほんの少しだけ飲みます)

1>2>3と飲む量が少なくなっていることは分かりますね。

じゃあ「数えられる」名詞ではどうでしょう。
1. Je lis beaucoup de livres en japonais.
2. Je lis un peu de livres en japonais.
3. Je lis peu de livres en japonais.

この中に「間違い文」が一つあります。

そう「2」が間違いなのです。
原則的にun peu deの後には数えられる名詞を持ってくることはできません。
その代わりにquelques が使われます。

Je lis quelques livres en japonais. が文法的に正しい文となります。
またquelquesは「多くない」という事を表しているので、限定表現 ne --- que と仲良しです。

Avez-vous beaucoup de CD de variétés françaises?
 - Non, je n'ai que quelques CD. Par contre, j'ai pas mal de DVD.
フレンチポップスのCDってたくさん持ってる?
 - いや数枚しか持ってないよ。でもDVDは結構あるかな。