2009年12月23日水曜日

COD? COI?

昨日、中学のフランス語の教師をしている友人と話をしている時のこと。

「COD, COI, COS...」

CODはもちろん「直接目的語」のことですね。それはわかる。
COIは「間接目的語」のことですね。これもわかる。(わからないと今の仕事はしていないですよね…)

ただここで一つ驚くことを言うのです。

「COIはaかdeに導かれるんだよね」

「aはわかるけどdeって何?」

中学校向けの文法教科書を見せてもらうと確かにそう書いてあります。

J'ai téléphoné à mon père.
Je parle de mon travail.

しかもfinir deやcommencer aの前置詞+動詞の原型もCOIだというのです。

わかるようなわからないような。
Qu'est-ce que tu as demandé de faire à ta copine?
- Je lui ai demandé de prendre du pain en revenant.

これだとCOIが二つあることになりますよね。

実は…そうじゃないらしいのです。

今日一日かけて調べてみます。
新しい文法事項なのか、本国向けと外国人向けの文法は違うのか、20年いろんな資料を読んできたけど気になったことはなかったですね。

2009年11月17日火曜日

carteの謎

フランス語は英語に比べて語数が少ないことは知っていますか。

英語の「中辞典」は収録語語数が平均80000語であるのに対し、フランス語は40000語前後です。
ということは、そう!覚える単語が少なくて済むのです。

例えば表題の名詞carteはどういう意味でしょう?
たくさんありますね。

1. 地図(carte de Paris)
2. 名刺(carte de visite)
3. 絵葉書(carte postale)
4. 証明書(carte d'identité)
5. トランプ(jouer aux cartes)
6. メニュー(carte, carte des vins)
7. その他...

共通することは何でしょうね。

そう、紙(現代ではプラスティックもありますが)で作られている四角い物なのです。
そうやって考えれば、一つのcarteと言う単語を覚えるだけで6倍おいしいということになる訳ですね。

フランス語ではcarte、ドイツ語ではKarte、ポルトガル語ではcarta、英語ではcard...
先祖はつながっているのですね。

14世紀末に出現した単語で「文字を書くための紙」を意味していたようです。
語源を同じくして派生したchartという語は、英語ではお馴染みですよね。
フランス語では余り使われることはありませんが、Charteと大文字で書けば「憲章」を表します。

語源学奥深し...

2009年10月26日月曜日

晩ご飯は食べません

日本語では晩ご飯を食べる、英語ではeat dinner、ではフランス語でもmanger le dîner と言えるのでしょうか。

残念ながら正用法ではありません。
正しくはmangerではなくprendre を使います。

J'ai pris le dîner au restaurant avec des copains de lycée avant-hier.
(一昨日のお昼は高校時代の友だちと外食をしました)

Mon mari m'a invitée à prendre le dîner dans un restaurant étoilé pour fêter mes 30 ans.
(主人が私の30歳の祝いにと、☆付きレストランにディナーに招待してくれたのよ)

一般に動詞mangerの後には「食べるもの」が置かれます。
ハンバーガー、お肉、エビ、ケーキ... 全部食べられますよね。déjeuner=昼食は食べ物ではなく食事なので、「食べる」ことはできないのです。食事は取る=prendreするものなのですね。

dîner とdéjeunerには動詞としての用法もありますから、

Je n'ai pas eu le temps de déjeuner à midi.
(昼ご飯を食べる時間がなかったよ)

こんな風に 〜er動詞として使えます。

ただし、
夕食にポテトを食べたいなあ。
J'ai envie de manger des frites au dîner または pour le dîner. となります。

くれぐれも昼食や夕食を「食べ」ないようにして下さいね。

2009年10月24日土曜日

久しぶりですね。

町であった友人に「久しぶりだねえ。元気だった?」と聞いてみましょう。

Tiens, ça fait longtemps! までは言えると思うのです。
このまま Ça va? と言ってもコミュニケーションには全く問題はありません。

英語で学習した後半部分「It's (been) a long time since I saw you last.」をフランス語にしてみましょう。

Ça fait longtemps depuis je t'ai vu. ハイ通じます。ただ間違っていますよ。

フランス語ではÇa faitまたはIl y a ~ que S+V... という構文を使って表現されます。
しかも、後半部分は多くの場合、肯定文なら現在形、否定文なら複合過去形が使われます。

Ça fait longtemps que nous ne nous sommes pas vus.
Ça fait longtemps qu'on ne s'est pas vus.

となります。
フランス語では「会わなくなってから、ずいぶん長い時間が流れたね」と考えるのです。

Ça fait déjà 1 mois qu'il n'a pas plu.
(もう1ヶ月も雨が降ってないね)
Ça fait 3 ans que j'apprends le français.
(フランス語を3年間勉強しています)
Il y a 21 ans que j'enseigne le français.
(フランス語を教え始めて21年かあ)
Il y a 2 jours que je n'ai rien mangé. Je meurs de faim...
(二日前から何も食べてないやあ、ひもじいな)

全ての構文は
現在に通じる事実 depuis 期間. と言い換える事ができます。

ただしça fait 期間 の方が時間の経過に重きが置かれるので、
人に待たされた時には
Ça fait 1 heure que je t'attends. Tu aurais pu m'appeler sur le portable quand même!
と言ってみましょう。

2009年9月26日土曜日

古い車はぼろい車ではない!

J'ai une vieille voiture.

この車はどんな車なんでしょう。
「古い」ことに間違いはないのですが、古くて使い物にならないのか、昔からずっと乗っているのか、コレクターが集まって試乗会を開いてしまうような価値のある車なのか。

一般的に名詞の手前にvieuxが置かれると、発話者または所有者との関係が長いという意味になります。

Cette vieille voiture marche bien.
この古い(古くから乗っている)車は調子良く走るんだよね。

人に付けても同じです。

Je suis allé boire un coup avec mon vieux copain de lycée.
高校時代の旧友と一杯飲みに行きました。

名詞の後ろに置かれると、車だと「ぼろい」人だと「年を取った」家だと「すきま風が一杯(例えばですよ)」というニュアンスを持ちます。

Ma voiture vieille est tombée en panne sur l'autoroute.
ぼくのおんぼろ車が高速道路でエンストを起こしたんだよ。

J'ai un ami vieux, qui apprend le français.
年寄りの友だちがいるんだけど、フランス語を学んでいるんだよね。
(人間に付ける時はâgé の方が優しいですね。年は「重ねた」方がいいでしょ)

ちなみに、vieuxが母音で始まる男性名詞の手前に置かれる場合はvieilに変わります。
音を繋いで読むことができるように、男性形 vieux と女性形 vieille の中間点を取るのですね。

un vieil ami → quelques vieux amis
un ami vieux → quelques amis vieux (変化なし)

古いことが必ずしも悪いことではないのですね。

2009年9月25日金曜日

一粒で二度おいしい?

学習していると言いたいことに対応した表現を覚えるだけで精一杯ですよね。
それはわかるのですが、そこを歯を食いしばって言いたいことに対応した表現を「二つ」持ってみてください。

風邪をひきました。
Je suis enrhumé(e).
J’ai un rhume.

頭が痛い。
J’ai mal à la tête.
J’ai un mal de tête.

疲れた。
Je suis fatigué(e) / Je me sens fatigué(e).
Je suis épuisé(e).

どこかに遠出をしたい。
Je voudrais partir en vacances.
J’aimerais partir en vacances.

この本は読む価値がある。
Ça vaut le coup de lire ce bouquin.
Ça vaut la peine de lire ce bouquin.

帰ってきたらすぐに電話するよ。
Je te téléphonerai dès mon retour.
Je t’appellerai dès mon retour.

ダイエット中です。
Je suis au régime.
Je fais un régime.

二つの表現を交互に使えば、同じことばかり言ってるという風には思われないし、表現力がついた気がするものです。
いや、これを「表現力がついた」というのです。

2009年9月23日水曜日

仕事疲れた...

Je suis fatigué(e) は「疲れた」と言うことですよね。
昨日のブログに登場した「過去分詞は形容詞」の一例としてあげた通りです。

では、Le travail est fatigué. は言えるのでしょうか。

辞書で少し上の項目を見ると「疲れさせる、骨の折れる」という意味のfatigantという形容詞もあります。

よく見れば、fatiguéは過去分詞、fatigantは現在分詞である(あった)事はわかるのですが、他の対の単語「intéressé - intéressant」「frustré - frustrant」「déçu - décevant」「ému - émouvant」「surpris - surprenant」にも応用できる何かルールのようなものはないのでしょうか。

過去分詞は「être + 過去分詞」の組合せで受け身の文を作りますよね。

Je suis invité ce soir par mes beaux-parents.
(今夜義理の両親に招待されています)

Je suis décu(e).

そもそも動詞 décevoir は「〜 をガッカリさせる」という意味なのです。
par + ~(〜によって)の部分を言わなくてもガッカリしているという気持ちは充分に伝わります。
(言わないけど)誰かまたは何かによってガッカリさせられた→今その気持ちが続いている。

こういう風に形容詞としての地位を確立していったのだと思われます。

ではdécevantはどうでしょう。

現在分詞は過去分詞とは逆に能動(他に働き掛ける)の意味を持っているのです。
何かをされるのではなく、他に何かをする、という訳です。

Ce film est vraiment décevant.
この映画にはガッカリだよ。

見た人にdécevoir(ガッカリさせる)という影響を及ぼす訳です。

Je suis intéressé(e) par la langue française.
La langue française est intéressante.

Je suis très fatigué(e) à cause de ce travail.
Ce travail est très fatigant.

受動と能動、主語が影響されているか主語が他に影響を及ぼしているか...
こんなとらえ方で理解ができるはずです。

答は:言えません。いや、教えることができないという意味ではありません。
「間違い文」です。

2009年9月22日火曜日

座ったまま、立ったまま

今座った状態です(座っています)
Je suis assis(e) maintenant.

女性は当然形容詞のassisに性数一致の「e」を付けますよね。

一日中ずっと座ったままでした。
Je suis resté(e) assis(e) toute la journée.

「ずっと〜のままの状態である」はrester + 形容詞 で表現されます。
もちろん複合過去にするとresterもassisも性数一致をします。

Mes amies françaises sont restées assises pendant 12 heures de Paris à Osaka.

ではこれはどうなるのでしょう。

フランスのレジ係の女性は座って仕事をしています。

Les caissières travaillent assises(?) en France.
eやsは必要なのでしょうか。

動詞travaillerが「仕事をする」という意味を持ってはいるのですが、主語のles caissièresの働いている時の状態を表している文であることに変わりはありません。

この文が「S + V + C(主語+動詞+補語)」であるかどうかは議論の別れるところですが、ね。

日本ではレジ係の女性は立って仕事をしています。

Les caissières travaillent deboutes au Japon.

当然この文にも必要だと思いますよね。
ところが、こちらは不必要なのです。

deboutは副詞に分類されるので、性数一致はしません。

いや説明になっていないのはわかっています。ただこれ以外に説明しようがないのです。
assisは元々は動詞asseoirの過去分詞なので、性数一致をする。
deboutは何かが転化して生まれた単語でなく、本質的に副詞として生まれ使われて来たので性数一致という変化が適応されなかったのでしょう。

最後に、過去分詞や現在分詞は使われる頻度が増えると形容詞として認識されます。fatigué、surpris、pressé、intéressant、... と例をあげればキリがありません。英語のtired、surprised、interestingなども同様です。

2009年9月17日木曜日

男性名詞?女性名詞?2

フランス語を勉強していると、最初に「ややこしいなあ」と思うのが男性名詞と女性名詞の区別ですよね。

問:どうやって区別するの。
答:覚えるしかありません。

問:フランス人はどうしているの?
答:暮らしの中で(成長過程で)自然に覚えています。

問:全部男性名詞で使っちゃダメ?
答:だめではないですが、性別の区別がある方がヨーロッパの言語では普通なのです。むしろ英語が例外です。もちろん、特殊な例を除いて理解はしてもらえます。

問:新しい単語の性別はどうやって決めるの?
答:自然に使われていくうちに自然に決まっていきます。主に男性名詞になります。女性名詞として使われるには「強力」な理由が必要です。
tempuraは多くの場合「女性名詞」として使われます。同じ食べ物つながりのpazzaが女性名詞で、同じくaで終わっていますね。

問:どっちでもいい単語って存在しないの?
答:あります!昨日のブログに出てきたapres-midiを辞書で引いてみてください。
男(時に女)と書いてあるのです。では「その時は、いつ?」と思いますよね。
人によるのです! un apres-midi、une apres-midi、どちらも正解です。 

2009年9月16日水曜日

毎日と一日中

「週末はずっと家にいました」

Je suis resté(e) à la maison.
ここまではすんなり(?)思いつきましたね。

「週末」はなんと訳しましょう。
le week-end、ce week-end、le week-end dernier でも問題ありません。

では「ずっと」は?

こんな時には「tout le week-end」と言いましょう。
le week-end に丸ごとを表すtout を付けて使うとうまくいくのです。

Je suis resté(e) à la maison tout le week-end.
が、ひとつの正解ですね。

似たような表現にtous les week-endsがあります。
こちらは名詞が複数形で使われているので、この週末もあの週末も... というわけで「毎週」という意味になるのです。

Je reste à la maison tous les week-ends.
毎週末、家にいます。

時の表現にはこの「単数/複数」の対の表現が用意されています。

一(晩、年...)中 / 毎(晩、年...)
tout le week-end / tous les week-ends
toute la matinée / tous les matins
tout(e) l'après-midi / tous(またはtoutes) les après-midis
toute la soirée / tous les soirs
toute la semaine / toutes les semaines
tout le mois / tous les mois
toute l'année / tous les ans

On peut manger de bonnes huîtres toute l'année.(一年中美味しい生ガキが食べられます)
ありがたいですが、自然の摂理に逆らってますね。
On peut manger de bonnes huîtres tous les ans.(毎年美味しい生ガキが食べられます)
ずっとそうあって欲しいものです。

2009年9月12日土曜日

mardi? un mardi? le mardi? à mardi?

曜日名を文の中で使う時にどれを使うのでしょうか。
英語だったらon Sundayと前置詞が必ずありますね。

火曜日にフランスに旅立ちます。
Je pars pour la France / en France mardi.

3年前に主人と知り合いました。火曜日のことだったわ。
J'ai connu mon mari il y a 3 ans. C'était un mardi, je crois.

火曜日にフランス語のレッスンを受けています。
Je suis un cours de français le mardi.

じゃあ気をつけて帰ってね。(また)火曜日!
Sois prudent(e) sur la route. A mardi!

どう使い分けるのでしょうね。

mardi と曜日だけを時の表現として使う時は、一番近い火曜日の話になります。
動詞時制が未来を指し示している(現在形や未来形など)場合は今度の火曜日、過去を指し示している(複合過去や半過去など)場合はこの間の火曜日という意味ですね。

un mardi と不定冠詞のun が付いている時はとある火曜日(いつか忘れた、またはそれが重要ではない)を表します。

le mardiいつも決まって火曜日にはという事ですね。習い事や毎日違った行動をとっている人には有効な表現法です。

à mardi は別れの表現です。直前にはau revoir や Ciao があるはずですね。
à demain à la semaine prochaineも同様です。

ちなみに必ず小文字ですよ。

Chers lecteurs,
Bonne journée et à demain, en principe...

2009年9月11日金曜日

偽物の友達

英語の単語の6-7割がフランス語起源なのですが、長い歴史の中で使われ他の文化や言語と交わり、使用者が移動し、またそこの民族の持つ文化や言語とぶつかり...

結果的に「そっくりだけど言語によって意味が違う」単語のことをfaux ami(偽物の友達)と言います。

フランス語 - 英語
actuellement(現在) - actually(実際)
un car(観光バス) - car(車)
une conférence (講義)- conference(会議)
demander(頼む、尋ねる) - to demand(要求する)
la lecture(講読) - lecture(授業)
la monnaie(おつり、小銭) - money(お金)
la place(広場、座席) - place(場所)
un texte(文章) - text (教科書)

日本語とフランス語にもありますよね。
アンニュイとennui、クレヨンとcrayon

いろいろ探してみるのも勉強になるし、「フランス語-英語」のリストの反対リスト(教科書はフランス語では何というのか、文章は英語では何というのか)を作ってみるのも面白いかもしれません。

2009年9月10日木曜日

現在形の勧め

フランス語の限らずおそらくすべての外国語学習で、一番最初に学習する動詞の活用は「現在形」でしょう。
ただでさえややこしい動詞の活用を頑張って覚えたのに、まさかそれを「今のこと」を表現するだけに使っているなんてこと、ないですよね!?

もちろん現在形は「今進行中の行為、現象」や「現在の状態」「普遍の事実」を表現するのにつかわれます。

Qu'est-ce que tu fais maintenant?
 - Je regarde la télé.
いま何してるの?
 - テレビ見てるよ。

J'ai 43 ans et je vis toujours chez mes parents. Et alors?
43歳で相変わらず親元に住んでいますが、それがなにか?

La terre tourne autours du soleil.
地球は太陽の周りをまわっています。

少し前の変化を表すこともあります。

Tiens, il pleut.
雨が降ってきたよ。

Je commence à m'énerver.
だんだん腹が立ってきた。

Je commence à avoir faim.
おなかすいてきたな。

Tu es là depuis longtemps?
 - Non, j'arrive.
ずいぶん前からここにいる?
 - 来たばかりだよ。

確実な「未来」を表すのにも使われます。

Tu pars pour la France quand?
 - Je pars demain.
フランスにはいつ出発?
 - 明日だよ。

せっかく覚えた現在形の活用は、過去にも未来にも活きるのです。
お試しあれ!

2009年9月9日水曜日

二個いち

はさみ、靴、靴下、メガネ、コンタクトレンズ...
これらに共通することは、そう「二個一=2ケそろって一人前」ということですね。

Combien de chaussures as-tu acheté à Paris?
 - J’ai acheté 5 chaussures.

パリで靴は何足買ったの?
 - 5足だよ。

J’ai trouvé des chaussettes trouées. J’en ai jeté 3.
穴があいている靴下を見つけたから、3足捨てました。

ふつう靴は「2ケ」買うのが普通ですね。「5ケ」購入したとなると、片足の予備を買ったということでしょうか。

3ケの靴下を捨てたということは、片方には穴が開いていなくて、違う靴下と組み合わせて履くのでしょうか。

上記のような名詞を「1セット」という時にはune paire deという表現が便利ですね。

J’ai acheté 5 paires de chaussures.
J’ai jeté 3 paires de chaussettes.

質問する時も、

Combien de paires de chaussures... ?
が誤解のない自然な疑問文ですね。

ちょっと気になって調べてみました。
シャツやズボンはどうなっているのでしょう。

どうやら昔は複数形が基本であった時代があるようなのです。(英語ではtrousersですからね)
片一方だけを取り上げる機会が少ないために単数での使用が可能になっていったようです。

最近の変化としては、はさみ(= ciseaux)が単数形で使われることも増えてきました。

Tu as un ciseau à me prêter, stp?
(はさみ貸してくれない?)

これだから言葉の勉強は止められない!

2009年9月8日火曜日

c'est と il est

第三者を紹介する時に「彼は〜です」というつもりで、

Il est Jacques.

と言っていませんか。
厳密に言えば間違いですね。

初対面なので「目の前の男性」はまだ認識していない状態なのです。
いったん自分の意識に取り入れるためには「c'est」の扉をくぐらなければなりません。

C'est Jacques.
が適当ですね。

では話が進んで「彼は料理人で、料理が上手なのです」はどう言いましょう。

Il est cuisinier, et il est un bon cuisinier.

何かおかしいですね。

il est / elle est の後には「職業&社会的立場または国籍」を表す名詞のみが置かれ、「限定辞(冠詞や所有冠詞など)」は原則的に使われない

Il est cuisinier / il est professeur / il est japonais / elle est actrice...
は正しい文なのですが、

ils sont mes parents / il est un bon cuisinier / elle est ma prof / il est mon mari...
は不可なのです。

一般的には「c'est または ce sont」が使われます。
Ce sont mes parents / c'est un bon cuisinier / c'est ma prof...

または目の前にいる人を「代名詞」で言い換えるのはよく考えれば失礼なので、

Patrick est un bon cuisinier.
Agnès est ma prof.

と名前を使えば全てが解決します。
英語とは違うのです。

Bonjour. C'est Didier, mon mari. Il travaille pour le Monde...
こんな風によく紹介をされます。

2009年9月7日月曜日

〜する前に

Je suis sorti(e) faire une promenade avant le petit déjeuner.
(朝食の前に、散歩に出かけた)
Je sortirai faire une promenade avant le petit déjeuner.
(朝食の前に、散歩に出かけます)

「avant + 名詞」の表現は便利ですね。
主動詞(上の例文ではsortir)がどの時制で使われていても、全く影響を受けません。
(まあ名詞なので変化させ様がないのですが...)

もう一人登場させようと思えば、こんな表現も使えます。

Avant le retour de mon mari, j'ai/avais commencé à préparer le dîner.
(主人が帰って来ないうちに、夕食の準備を始めました)
Avant mon retour, mon mari s'est/était mis à mettre la table.
(私が戻る前から、旦那がテーブルセッティングを始めました)

では、「読む前に(読まないうちに)」「〜に電話をする前に」などのように動詞を使いたいときはどうすればいいのでしょうか。

この場合は「avant de + 動詞の原形」となります。
昨日のavant de とは違い「完了」の表現にする必要がないので「原形=不定詞」のままでよいのです。

Je prendrai un bain avant d'attaquer mes devoirs.
(宿題にとりかかる前にお風呂に入るよ)
On ne doit jamais boire avant de conduire, même pas une goutte.
(運転する前は決して飲んではいけません、一滴たりともです)

名詞や動詞の原形を使うことで解決できるならそれがいいのです。

ただし従属節の主語と主節の主語が違う場合は「avant que + 主語 + 動詞」の構文を使わざるをえません。
しかも!接続法を使うことが義務づけられています。

先生が怒ってしまう前に、(わたしが)自分で何とかして解決方法をみつけなければ...
Je dois absolument trouver la solution avant que le prof se mette en colère.

名詞や動詞で表現できない時のみ「avant que + 主語 + 動詞」を登場させて下さいね。

2009年9月6日日曜日

〜した後に

Je suis sorti(e) faire une promenade après le petit déjeuner.
(朝食の後に、散歩に出かけた)
Je sortirai faire une promenade après le petit déjeuner.
(朝食の後に、散歩に出かけます)

「après + 名詞」の表現は便利ですね。
主動詞(上の例文ではsortir)がどの時制で使われていても、全く影響を受けません。
(まあ名詞なので変化させ様がないのですが...)

もう一人登場させようと思えば、こんな表現も使えます。

Après le retour de mon mari, j'ai commencé à préparer le dîner.
(主人が帰って来てから、夕食の準備を始めました)
Après mon retour, mon mari s'est mis à mettre la table.
(私が戻った後で、旦那がテーブルセッティングを始めました)

では、「読んだ後で」「〜に電話をした後で」などのように動詞を使いたいときはどうすればいいのでしょうか。

この場合は「après avoir + 過去分詞/après être + 過去分詞」となります。
(après に続けて、複合過去の原形とも不定詞(=原型)の複合形と考えてください)
日本語の「〜した(完了を表す)」とフランス語の「avoir/être + 過去分詞」が対応していると考えてください。

Je prendrai un bain après avoir lu ce paragraphe.
(この章を読んだらお風呂に入るよ)
J'ai l'impression que mon fils a fait un cauchemar après s'être endormi.
(息子は寝付くとすぐに嫌な夢を見たようだ)
On ne doit jamais conduire après avoir bu, même pas une goutte.
(飲んだ後は決して運転してはいけません、一滴たりともです)

après que + 主語 + 動詞 はお薦めしません。
1. 動詞が活用しているので文が煩雑になる。simple is bestです。
2. 直説法か接続法か... 誰も答えが出せない。

名詞を使うことで解決できるならそれがいいのです。
わざわざ複雑な構文を使うまったく必要はありません。
単に「自己満足」にしか過ぎません。

2009年9月4日金曜日

寝ると眠る

日本語では普段は「寝ると眠る」を区別をして使っている人は少ないと思います。

昨日何時に寝た?
おはよう。よく寝られた?
シーっ!子供が寝てるから。

日常会話では主に「寝る」が使われている気がしますね。
フランス語に厳密な使い分けがあります。

(朝に)目が覚める⇔眠りに落ちる
   se réveiller ⇔ s'endormir
ベッドから出る⇔床につく
   se lever ⇔ se coucher
眠りに落ちてから目覚めるまでの間
   dormir

se coucher→s'endormir ~ dormir ~ se réveiller→se lever
こういう時間の流れですね。

Je me suis réveillé à 7 heures mais je me suis levé 30 minutes après. Il faisait tellement froid...
7時に目が覚めたけど起きたのは30分後。寒かったし...

J'ai eu du mal à m'endormir hier soir. Et je n'ai pas bien dormi.
昨夜はなかなか寝付けなくてね。よく眠れなかったよ。

昨日何時に寝た?
A quelle heure est-ce que tu t'es couché hier?

おはよう。よく寝られた?
Bonjour. Tu as bien dormi?

シーっ!子供が寝てるから。
Chut... Le bébé dort.

~時にdormirすることもできないし、~時間se coucherすることもできないのです。

Dormez bien. A demain!

2009年9月3日木曜日

しょっちゅう...って?

Vous voyagez souvent à l'étranger?
 - Non, je ne voyage pas souvent à l'étranger mais, je voyage de temps en temps.
外国旅行はしょっちゅうしますか。
 - いえ、よくという訳ではないですが、時々は出かけます。

文法的には全く問題はありません。
頻度の副詞(の単語 = souvent, rarement など)は、動詞の直後に置くのがルールなので位置の問題もありませんし、動詞の活用も正しくできています。

ただ会話にはなっていないですね。
会話とは「言葉のキャッチボール」なので、受けた会話の中に「発言者の常識」に拠った表現が多いと、受けた側は戸惑ってしまうのです。

しょっちゅう、時々、しばしば、まれに...

発言者の感覚と必ずしも同じではないのです。

高校生の「カラオケには時々行きます」と働いている大人の「時々」は明らかに頻度が違うし、裕福な方と一般人の「しょっちゅう海外旅行をする」は間違いなく5〜10倍の頻度の差があるはずです。

ではどうすればいいのでしょうか。

具体的に回数を伝える癖をもちましょう。

Je voyage souvent à l'étranger, 2-3 fois par an.

Je vais rarement au karaoké avec des copines, qui préparent leurs concours d'entrée. Elles n'ont pas le temps.
On ne chante que 2-3 fois par semaine, ce n'est pas beaucoup, non?
入試の準備をしていて忙しいので、友だちとはあまりカラオケには行きません。
週に2−3回ですね。少ないでしょ!?

国、立場、世代、環境... が違えば「常識」は違いますからね。

2009年9月2日水曜日

「多くない」少しと「多い」少し

話者が多くないと思っている数えられる名詞につく「少し」はquelquesが対応するのでしたね。

As-tu beaucoup de sacs comme ça?
 - Non, j'ai quelques sacs dans ce style. J'en ai 3 (= J'ai 3 sacs).

じゃあこの場合はどうでしょう。
As-tu une voiture?
 - Oui, j'ai une Mercedez et une autre Prius. J'ai quelques voitures.

何かが変です。

そう、quelquesという不定形容詞は暗に「少ない」という意味を持っているので、「2台も」持っていることを表現するのに使うと不自然なのです。

では「多い」ということに対応する「少し」という表現はあるのでしょうか。

こんなときには plusieurs の出番です。
J'ai plusieurs voitures = J'en ai plusieurs. がふさわしいですね。

名詞の数が「多い」と判断するのは話者なので、いくつ以下がquelquesでいくつ以上がplusieursという決まりはありません。
話し手が「少ない」と思えば10という数もquelquesの対象になりえますし、「多い」と判断すれば2という数でもplusieursが使えます。

時計マニアの発言なら、
J'ai quelques montres. Je n'en ai que 8.
時計はあまり多くないんだよね。8本だけです。

一般人なら、
J'ai plusiuers montres. J'en ai même 3!
時計多く持ってるよ。3本も!

こういう使い方が自然でしょうね。

2009年9月1日火曜日

多い少ない

1. Je bois beaucoup de café tous les matin.
(朝はコーヒーをたっぷり飲みます)
2. Je bois un peu de café tous les matins.
(朝はコーヒーを少し飲みます)
3. Je bois peu de café tous les matins.
(朝はコーヒーをほんの少しだけ飲みます)

1>2>3と飲む量が少なくなっていることは分かりますね。

じゃあ「数えられる」名詞ではどうでしょう。
1. Je lis beaucoup de livres en japonais.
2. Je lis un peu de livres en japonais.
3. Je lis peu de livres en japonais.

この中に「間違い文」が一つあります。

そう「2」が間違いなのです。
原則的にun peu deの後には数えられる名詞を持ってくることはできません。
その代わりにquelques が使われます。

Je lis quelques livres en japonais. が文法的に正しい文となります。
またquelquesは「多くない」という事を表しているので、限定表現 ne --- que と仲良しです。

Avez-vous beaucoup de CD de variétés françaises?
 - Non, je n'ai que quelques CD. Par contre, j'ai pas mal de DVD.
フレンチポップスのCDってたくさん持ってる?
 - いや数枚しか持ってないよ。でもDVDは結構あるかな。

2009年8月31日月曜日

否定文を考える2

2009年8月11日の「比較を考える1 」にも書いたように、日本語は日本語には「マイナス」の表現があまり十分には用意されていません。

学習者が間違えやすいのが、以下のポイントです:
日本語訳をすると「否定文=マイナス」になるので、元のフランス語の文も文法的に「否定文」と考えてしまうのです。

1. Je bois peu de thé.
(ぼくはほとんど紅茶は飲みません)

2. Ma mère va rarement au karaoké.
(母はめったにカラオケには行きません)

3. Dans ce groupe, il n'a que des filles.
(このグループには女の子しかいません)

これらの文は自然な日本語訳では「否定文」になってしまいますが、文法的には全て(少なくとも日本語においては)否定のニュアンスをもった肯定文です。

1. の文は「多くはないけどほんの少しだけ」飲むのです。
2. では「頻度は高くないけど稀には」行くのです。
3. はneが入っているから否定文に見えますが、これは一般的には「限定文」と言われるもので、neには文法的な否定文を作る役割は持たされていません。
「女の子だけ」がいるのですね。

「肯定文」なので次のような受け答えになります。

Je voyage rarement à l'étranger.
 - Moi aussi, je préfère visiter mon pays tranquillement en voiture.
海外旅行はめったにしないよ。
 - ぼくも。車でゆっくりこの国を見て回る方が良いな。
(否定文ならば「moi non plus」となるはず)

Est-ce qu'il n'y a que des filles dans cette classe?
 - Oui, malheureusement, il n'y a que des filles. Mais, il y a de plus en plus d'hommes qui veulent faire du français.
このクラスには女性しかいないの?
 - 残念ながらそうなんだよね。でも男性の学習者は増えているよ。

「否定のニュアンスを持つ表現」と「否定文」は区別をしましょうね。
ちなみにne --- queの表現は否定文ではなく限定文なので、queの後の冠詞は変化しません。

2009年8月21日金曜日

形容詞を動詞にしてみよう!

gros(se):太っている
maigre:痩せぎすである(grosの反意語で褒め言葉ではありません「- マイナス」の形容詞です。誉める時にはminceを使いましょう)
rouge:赤い
blanc:白い
grand:大きい

これらの共通項は「形容詞」ということですね。
じゃあ「太る」「痩せる」「赤くなる」「白くなる」「大きくなる」とはどういうのでしょう。

もちろん、
devenir gros、devenir grand... と言うことはできますよ。
(英語では主にgrow fat、gain weightと言うようです)

フランス語では主に動詞を使います。

形容詞の語尾を少しいじって(多くの場合女性形に近い)ir を付けます。
これらは全て第2群規則動詞です。(finirやchoisirの仲間ですね)

以前にも登場した例文、
J'ai grossi de 2 kilos. だけでなく、
Les feuilles d'érables rougissent et jaunissent en automne.
(秋にはカエデの葉が赤くなったり黄色くなったりします)
Je rougis facilement quand je bois.
(飲むとすぐに赤くなります)
Wow, tu as grandi!
(大きくなったねえ)

ちなみにgrandirは「大きくなる」、agrandirは「大きくする」の違いがあります。
使い間違えてrougirする前に辞書で確認しておきましょう。できれば紙の辞書で。

2009年8月20日木曜日

homonymeって何?

日本語では一般的に「同音異義語」と訳されるものです。

Moi, je n'ai jamais rien volé.
わたしは何かを盗んだことなんて一度もないわ。
J'ai envie de voler comme un oiseau.
鳥のように飛んでみたいわ。

動詞volerには二つの意味があるのです。
1. 盗む
2. 飛ぶ

ネイティブは当然二つの意味を使い分けています。
そこで大事なのが文脈を読む力構文力なのです。

多くの場合「盗む」という意味では、
voler + 盗むもの + à 盗む対象の人
「飛ぶ」という意味ではvolerは自動詞で使われるので、直接目的補語は存在しません。

品詞違いでも存在します。

[si](発音記号なので「スィ」と読んで下さい)の意味は?
もし? 6? scier(動詞)の活用?

[kuR] (同じく発音記号です)の意味は?
授業? 短い? courir(動詞)の活用? 中庭?

[fwa](同じく発音記号です)の意味は?
〜回/度? 信仰? 肝臓(フォアグラ)? Foix(南フランスの町)?

単語は「単語だけ」で存在しているのではなく、文脈の中に在るのです。

にわにわにわうらにわにわにわにわとりがいる。(音だけ意識して下さい)
ややこしいですね。

J'ai commandé [si fwa].
6回注文したの? 六つの肝臓を注文したの?

Si six scies scient six cigars, six cent six scies scient six cent six cigars.
(まあ、早口言葉になってしまいますね)

これがhomonymeマジックです。

2009年8月19日水曜日

必ずしも「反対」ではありません。

「反対」を訳すと、一般的には「le contaire」です、という話ではありません。

各言語に「単語の穴」があるのです。
例えば日本語には「自分が自分であること、またはその自己証明」という概念はない(なかった)ので、アイデンティティーは日本語ではないし、無理に訳すことさえできません。
ご存知の通り、ヨーロッパ言語には「義理」という発送や概念がないので、もちろん訳せない(intraduisible)です。

フランス語には「反対の形容詞の穴」が多く見受けられます。

フランス語にはprofond(深い)はあるのですが、英語だとshallowと訳される「浅い」という形容詞が存在しません。
多くの場合、peu profond(さほど深くない)を使います。

cher(値段が高い)はあるのですが、英語のcheapに当たる(値段が安い)は存在しません。
bon marchéはほとんど使われないのです。

frileux,se(寒がり)はあるのですが「暑がり」という語も存在しないのです。
おそらく、本来はフランスは寒い国なので、「暑い」という感覚もしくはそれに対応する単語が生まれにくいという背景があったのでしょうね。

Je déteste la chaleur. または
Je crains la chaleur.
というしかありません。

言葉っておもしろいですね。

2009年8月18日火曜日

「とっても」疲れた...

Je suis fatigué...
だけじゃ芸がないですよね。「感嘆文」にしてみましょう。

その前に一言:
日本語で簡単文と言うと不自然な訳になってしまいますが、フランス語ではもちろん普通に使われている表現ですよ。
訳さないで「気持ちを高めていう表現」とくらいに考えましょう。

感嘆文を作るのは簡単なのです!
1. 文の中にtrèsがあったら取り除いて下さい。
2. その後にその文を「Que...」または「Qu'est-ce que...」で始めてみましょう。

Que je suis fatigué(e)!
Qu'est-ce que je suis fatigué(e)!

といった具合です。

Qu'est-ce qu'il fait chaud!
Que c'est bon!
Qu'est-ce que j'ai faim!
Qu'elle est moche, cette fille / cette chanson / cette voiture!

お試しあれ! ちゃんとイントネーションも「感嘆、驚き、ビックリ」に変えて下さいね。

2009年8月17日月曜日

比較を考える2

「比較表現」はいわゆる比較級だけの専売特許なのでしょうか。
そんなことはありません。

Cette fille fait jeune pour son âge.
この子って年齢の割には若く見えるね。

Il fait bien chaud cette année par rapport à l'année dernière.
去年と比べて今年は暑いね。

など書き出したらキリがありません。
比較級を使っていない表現なので、当然のことながらplus(aussi、moins)形容詞/副詞 que 〜 は取っていません。

またラテン語を起源とする表現は、一般的に比較対象はqueではなくàで表されます。

Je préfère le café au thé.
Bien entendu, je préfère le vin français à celui d'Italie.
Préférez-vous la musique des années 80-90(⤴) ou la musique d'aujourd'hui(⤵)?
 - Je préfère plutôt la musique des années 80 à celle de maintenant.

Mon salaire est inférieur de 20% à celui de ma femme.

Je trouve que son nouvel album est supérieur à ses précédents.

もちろんこれらの表現にもいわゆる「比較級」の枠組みはありません。
比較する時に先に「比較級」ありきなのではなく、候補のひとつとしてとらえて下さいね。

2009年8月16日日曜日

命令形(命令法)1

ねえ〜、こっちに来て!
Viens!
こっちに来いったら!
Viens!
来いって言ってるだろう!
Viens, bon sang!

動詞の「命令形」は作り方は次の通りです:
誰に命令するかによって動詞を活用主語を言わない(書かない)
メインの動詞はフランス語では(一部の例外を除いて)絶対に活用します。

命令形は3種類あります。
1. 親しい「tu」で話している人に対する命令
2. そうでない「vous」で話している人、もしくは複数の人に対する命令
3. 私たち、すなわち英語のLet's ~に相当する命令

また肯定命令の場合は代名詞は動詞のあとに置かれます(一人称と二人称は強制形moi やtoiに変わります)
否定命令の場合はそのままです。

ただ間違えてはいけないのは、「命令形」とは命令にしか使わないのではありません。
命令にも使える動詞のひとつの形であるということです。
やさしく言えば「お願い、依頼」と理解されるし、強い口調で言えば「命令、義務」のニュアンスを帯びるということです。

tuやvousの命令形に関しては、次のような表現を付け加えることによってより表情豊かな発言になります:

Entrez, s'il vous plaît.
どうかお入りください。
Entrez, je vous en prie.
どうぞお入りください。
Passez-moi le sel, s'il vous plaît.
お塩を取ってもらえますか
Servez-vous, je vous en prie.
ご自由にお取りください。

またêtreおよびavoirの命令形は次の通りです。

être : (tu) sois / (vous) soyez / (nous) soyons
avoir : (tu) aie / (vous) ayez / (nous) ayons

Sois sage.
(おかあさんが子供に)よい子にしててね。
Ne soyez pas méchant avec moi, soyez gentil, s'il vous plaît.
そんなに私に意地悪しないでやさしくして下さい。
N'aie pas peur, je ne vais pas te manger.
怖がらなくても食べないよ。
Ayez du courage.
勇気を持って!

接続法にそっくりですね。

2009年8月15日土曜日

前未来形例文集

(お昼2時くらいに帰ると聞いて)
Tu auras rien mangé. Je te mettrai quelque chose de côté, ne t'en fais pas.
(到着した時間には)何も食べてないでしょ、何か残しておいてあげるから心配しないで。
*Tu ne mangeras rien. だと「何も食べないよね」ということで、昼食は抜き!

(おかあさんが子供に)
Quand je reviendrai, tu auras fait tes devoirs.
帰って来る頃までには、宿題やってしまってなきゃだめよ。
*tu feras tes devoirs. だと、帰って来るまでに宿題をしてはいけないことになる。

Je te téléphonerai quand je serai arrivé(e).
着いたらすぐ電話するね。
*quand j'arriverai. だと「到着という行為の完了」が感じられないので、少し不自然。

(クリスマス前夜におかあさんが子供に)
Dors bien. Le papa-Noël t'aura apporté ton cadeau quand tu te réveilleras.
*Le papa-Noël t'apportera ton cadeau... だと子供が朝起きたらサンタさんがプレゼントを持って来ることになる。

騙されたと思って使ってみて下さい。要するに「未来完了」です。

2009年8月14日金曜日

前未来形の勧め

前未来形って知ってますか。
教科書には必ず出てくるし習っているはずなんだけど、どうやら人気がない様です。どうしてだろう...

あとよく聞かれるのが「本当に使うの?」「使わなくてもいいでしょ」

だめです!ちゃんと使って下さい。

活用は「複合形活用」です。
すなわちavoirまたはêtre + 過去分詞 という形を取る訳ですね。

「単純形活用」とは、動詞の語尾が主語に応じて変化するものを言います。
いわゆる現在形、半過去形、単純未来形、などがこれに当たります。
「複合形活用」とは、(êtreまたはavoirの)助動詞と活用させたい動詞の過去分詞の組み合わせで構成されます。
複合過去形、大過去形、前未来形、などがこれに当たります。

フランス語の「複合形活用」はよくできていて、活用させた助動詞の時制の時点に置ける完了を表すのです。
例えば複合過去(êtreまたはavoir現在形 + 動詞の過去分詞)は、「現在」という時点に置ける完了を表すのに用いられるという訳です。

J'ai pris mon goûter.(avoirが現在形です)

は、「今」よりも以前にprendre mon goûter(おやつを食べる)という行為が完了したことを表します。

現在形−複合過去形、半過去形−大過去形、単純未来形−前未来形
こういう組み合わせだと考えて下さい。

ということは、êtreまたはavoir単純未来形 + 過去分詞(=前未来)は未来の時点で完了したことを表すのに使われるのかな?

ご名答です!
この形を「前未来形」と呼びます。

A quelle heure tu reviendras ce soir, ma fille? Quoi, à 21 heures? On aura tous dîné.
Je te ferai signe dès que je serai revenu de France.
A 16h, le film aura probablement commencé. J'ai peur que tu rates le début.

「近接未来形」と組み合わせることはできません。
純粋な動詞時制ではないので、ね。

「複合形活用」を使いこなすことがステップアップのひとつの道です。

2009年8月13日木曜日

いい天気ですね

いい天気ですね。
Il fait beau.

その通りです。じゃあこんな場合はどうでしょうか。

いい天気ですね。どこかにお弁当でも持って出かけませんか。
Il fait beau. Ça vous dirait de piqueniquer quelque part?

う〜ん、もっといい形容詞があるような気がします。

この場合beauは「晴れている、青空である」ということのみを意味します。文字通り「天気がいい」のです。
真冬の寒い日の朝の一言、梅雨の晴れ間を見た時の一言... 可能ですね。

気候に関しては全く言及していません。お出かけするなら天気だけではなく天候も重要でしょ!?
そんな時に登場するのはユーティリティー形容詞 bonくんです!

Il fait bon! これで完璧です。

ではIl fait mauvais. はいったいどちらなのでしょうか。
天気のみに言及しているのか天候にも配慮した表現なのか。

正解はあえて言えば「両方」ではないでしょうか。
人は欲張りなので「bon=良い」というにはいくつものハードルを用意するのですが、「mauvais=悪い」というにはマイナス点がひとつでもあれば「ダメ!」と言ってしまう傾向にあります。

主に天気に言及していると言えますが、曇っている、肌寒い、晴天ではない、暑すぎる...
これだけで Il fait mauvais! という可能性は十分にあるのです。

南フランスでは昼間は誰もIl fait bon. とは言いません。
夕方日が沈む頃テラスに座り一息ついてやっと、

Enfin, il fait bon à cette heure-ci.
と言うのです。

2009年8月12日水曜日

monterを考える。

monterは自動詞用法しかない!と思っている人、辞書を開いてみましょう(ぼくには辞書は「開く」ものであって「キーを押さえる」のもではありません)。

いろいろでてきましたよね。

自動詞用法だけでも「上る、昇る、登る」だけじゃないことに気づくはずです。(一般には助動詞はêtreです)
他動詞用法も見てみましょう。(助動詞はavoirです)

直接目的語を取る動詞を「他動詞」と一般には言います。
様々な種類の目的語が登場しますね。

monter +
 le meuble(家具を組み立てる)
 les œufs(卵を泡立てる)
 le téléphone(電話を組み立てる/電話を持って上がる)
 la société(会社を設立する)

monter l'escalierもmonter par l'escalierも両方正しい組み合わせなのですが、ニュアンスが違います。
「階段上る」と「階段登る」の違いと同じです。

何となくわかりますが、説明するって難しいですね。

2009年8月11日火曜日

比較を考える1

いわゆる比較級は、
plus / aussi / moins + 形容詞か副詞 + que + 比較対象 でしたね。
(7/18のブログでも少し書きましたね)

ではその形容詞か副詞はどのように選ぶのでしょう。

まず「話題」を表す主語があります。主語は「話題」ですよ、気をつけて!
その主語が que 以下で表現される対象に比べて「どうか(形容詞や副詞で表す)」ということを一文で表現しようとしているのが、plus / aussi / moins + 形容詞か副詞 + que + 比較対象 なのです。

従って真夏にfroidという形容詞は使えないし、気温が25度以上ない限り真冬にはchaudという形容詞は使えないですね。
加護ちゃんと辻ちゃんがどちらの方が背が高いか?という時にはぼくならgrandeは使いません。
同様に「今日35度で明日は30度らしいよ」なんて時にもfroidは不自然です。

じゃあどうするんでしょう。
そんな時にmoinsの登場なのです。日本語には「マイナス」の表現があまり十分には用意されていません。
訳そうと思わない方がいいですよ。不自然きわまりない日本語になってしまうこと、請け合いです。

Kago-chan est moins petite que Tsuji-chan. (事実は知りません)
Il fera moins chaud demain qu'aujourd'hui.
あえて訳すと:明日は暑さはマシのようだね。

「あの人上手に話すねえ」は言えても「あの人下手に話すねえ」はそれこそ下手な日本語でしょ。

2009年8月10日月曜日

誰を?何を?

Wow, quelles jolies photos! Où as-tu pris ces photos?
 × - A Paris, j'ai pris ces photos.
 ○ - J'ai pris ces photos à Paris.

à Parisを文頭に置くと既知の情報と理解されてしまい、伝わることはces photosになってしまうことはもう読者にはおなじみのことですね。

○の方の文は完璧ですね。一番伝えたいこと「à Paris」も最後に置かれています。
じゃあもっとスッキリとした文にするにはどうすれば良いでしょう。
そんな時には代名詞の出番ですよね。

一度使われた直接目的補語の代名詞はle、la、lesに代わるのでしたね。
ces photosは限定された直的目的補語の女性形複数の名詞なのでlesを選択しましょう。
位置は「一番関係の深い動詞の直前」でしたね。

Je les ai pris à Paris.

惜しいです。あと少し!

1. 直接目的補語であること(間接目的補語は関係ありません)
2. 動詞が複合形であること(avoirまたはêtre +過去分詞)
3. 当該の直接目的補語が動詞よりも手前に置かれていること

以上の三つの条件が整えば、過去分詞を直接目的語に性数一致をさせなければなりません。

すなわち、
Je les ai prises à Paris.
となる訳ですね。

以下のような文も同様です。

Regarde ces lunettes que j'ai trouvées à Tokyo.
C'est bien la carte postale que je t'ai envoyée il y a bien des mois. L'as-tu reçue ce matin?
Combien d'années avez-vous passées en France au total?
As-tu invité tes parents à la fête? - Bien sûr que non, je ne les ai pas invités.
Nous lui avons souvent téléphoné mais, eux, ils ne nous ont jamais rappelés.

多くの場合音に変化はありませんから気づかないですが、fait、pris、misなどの基本動詞の過去分詞には注意が必要です。

2009年8月9日日曜日

誰に?

あの彼に言ったんですよ!
J'ai dit ça à lui.

上記の文が誤用であることはわかりますよね。
動詞の間接目的語が代名詞である場合は、その代名詞と一番関係が深い動詞の手前に置かれるのが通例ですね。

Je lui ai dit ça. となります。

Je vais lui dire ça.
Je lui dirai ça.
Je n'ai pas envie de lui dire ça.
も同様ですね。

でも強調したい時にはどうしましょう?文の最後に来ていないので既知の情報として扱われ、重要度は低くなってしまっています。そんな時に登場するのが7/12のblogにも登場した強調構文C'est --- que ~」であるのはわかりますね。
じゃあ、C'est lui que j'ai dit ça. でいいのでしょうか。

この場合はluiが強制形でなく間接目的語であることをはっきりさせるためにà +代名詞の形を取るのです。

C'est à lui que j'ai dit ça. ですよ。

確か間接目的語のluiは「彼女に」の意味にもなるんじゃなかったっけ?
ご名答!その時には

C'est à elle que j'ai dit ça. となります。

ただこんな風に代名詞を使い続けないで
C'est à Sophie que j'ai dit ça.
と言えばよりわかりやすくていいのです。

大事なことは「言いたいことを誤解されないように相手に伝えること」ですからね。

2009年8月8日土曜日

コンテクストは大事ですね。

どういう場面で誰が何について話しているか... それを「コンテクスト」と言って構わないと思います。
とっても大事ですね。

Ça va chauffer.
という表現があります。訳すとすれば「あつくなる」でしょうか。

もちろん温めているおまんじゅうが後10分で食べられるよ!という時にも使えるのですが、昨日膝をぶつけて痛めた人がこの台詞を言ったらどうでしょうか。

そう、全く違う意味になります。
「これから悪くなりそうだ」とでも訳しましょうか。

空を見上げながらこの表現を口にすると「暑くなるね」という意味ですね。

名詞ひとつでも気をつけないととんでもないことになります。
例えば「une boîte」。もちろん第一義は「箱」で間違いないのですが、

Si on allait danser dans une boîte ce soir?(〜に今晩踊りにいかない?)
だと「ディスコ」という意味ですね。

Je travaille dans une boîte française.(フランスの〜で働いています)
だと「会社」という意味で使われます。

前後をちゃんと理解することが大事なのです。

2009年8月7日金曜日

代名動詞を使ってみよう。2

普段使っている動詞も代名動詞として使われることがよくあります。
けっこう便利な表現に変わりますよ。

Ça se mange, ça!?
(これって食べられるものなの?)ら抜き言葉は嫌いです、念のため。
Ça se boit comment?
(これはどうやって飲んだらいいのですか)
Ça se dit en français?
(この表現はフランス語では使われますか)
Ça ne se fait pas au Japon.
(日本ではそういうことはしてはいけません)
Ça se voit.
(見たらわかるよ、なるほど)
Ça ne se vend pas.
(これは売り物ではありません)

納豆を初めて見る人や、カルピスを間違えて買ってしまったフランス人、授業中に自分の表現に自信のない時、人前で鼻をかむフランス人... 応用範囲は広いですね。

基本動詞は辞書のしっかり隅から隅まで目を通しましょうね。

2009年8月6日木曜日

代名動詞を使ってみよう。1

朝起きた、夜寝た、お互いに電話をする、知り合う... この用法の代名動詞はおなじみですね。
前半2つは「再起用法」後半は「相互的用法」なんて呼ばれます。

そうではなく、日常何気なく使われている代名動詞の用法があるのです。

1. Ça se mange tout seul.
2. Ça s'écrit tout seul.
まあもちろんça は目の前にある食べ物やペンなどをさすのですが、それでも分かりにく表現です。

1. は目の前にある食べ物を口に入れると非常に食べやすく、味もよく、自然なのどごしで、すっと胃に収まっていく感じを表しています。
2. は今使っているペンがとても書きやすく、力を入れなくてもペンがスーッと紙の上を滑り、この上なく書きやすいことを表しているのです。

Ça se boit tout seul といって、あまり口当たりのよいアルコールを飲み過ぎないように。

2009年8月5日水曜日

太った、痩せた?

旅行から帰ってくると、2キロくらい太っていることがありますよね。
そんな時にはこんな風に言いましょう。

J'ai pris 2 kilos pendant les vacances.

そう、わざわざ「太る」をダイレクトに言い表すgrossir は使わなくていいのです。
使うとすれば、「変化量のde(命名は筆者です)」を使う必要があります。

J'ai grossi de 2 kilos.

痩せるのはとっても難しいですが、フランス語の文の作り方は太る時と同じです。

J'ai perdu 2 kilos.
J'ai maigri de 2 kilos.

「変化量のde」は興味深いですよ。

L'avion est retardé de 30 minutes.
Ma montre avance de 2 minutes par semaine.
La taxe augmentera sans doute de 2-3 % d'ici 5 ans.

簡単な前置詞ほど奥が深いですね。

2009年8月4日火曜日

chezの不思議

〜(お店の名前)に買い物に行きましょう。

On va faire des achats chez Carrefour!
J'ai mangé un cheesburger et une frite chez Macdo.
... と最近は、世間に認知された商店名の前にはchezが使われるようになって来ています。

一般的にはchezの後には「人を直接的または間接的に表す名詞」が来るのです。

chez Alain、chez le médecin、chez le coiffeur... といった具合です。
chez nousなんて表現もよく見かけます。もちろん「私たちの家で」を意味することが多いのですが、場面によっては「私たちの学校では」「私たちの国では」と、話している人が所属している組織や団体の人たちをひっくるめて言うこともできます。

さっきおもしろい会話を耳にしました。と言うか間違えて理解してしまいました。

On va acheter un lecteur de DVD chez Boulanger. Tu viens avec moi?
えっ、最近はフランスのパン屋ではDVDプレーヤを販売しているのか!?

違うのです。近頃幅を利かせている家電量販店にBoulangerというチェーン店があるのです(恥ずかしながら不勉強で知りませんでした)。
もう一度言ってもらうと、確かにchezの後にパン屋を指しているならあるはずのle がありません。
聞き落としていたのです。

aller chez le boulanger
aller chez Boulanger
パンを買おうと思って道を尋ねたら家電量販店を教えられたり、アイロンを買おうと思ってたどり着いた店がパン屋なんて、笑うに笑えません。

chez、恐るべし!

2009年8月3日月曜日

昨日到着したばかりです。

「〜したばかりです」
はフランス語ではどう表現されるのでしょう。

例えば:
昨日フランスに到着したばかりです。
Je viens d'arriver en France hier.

???何かがヘンです(通じますよ)。

「近接過去形=venirの直説法現在+de+動詞の原形」は直前の過去を表すのに使われますが、あくまでも時制としては「現在」なのです。従って明らかに過去を表すhierやil y a 10 minutesは一緒に使えないのです。

結果は:
Je suis arrivé(e) en France hier.やC'est hier que je suis arrivé(e)と、あくまで複合過去を使わなければいけません。

昨日ということを強調したい場合はne - queやà peineなどが使われます。
Je ne suis arrivé(e) en France qu'hier.
Je suis arrivé(e) en France à peine hier.

近接過去の用法は少し乱れて来ているようで、話し言葉では過去を表す副詞と使われることが少しずつ増えて来ているような気がします。
ただ、間違いは間違いです。

2009年8月2日日曜日

〜好きです。2

1. 電車大好きです。
(友達には鉄ちゃんと呼ばれ、0系新幹線がなくなって寂しいです)
2. 電車大好きです。
(お酒を飲んでも帰れるし、寝ても大丈夫でしょ)

この2文は何が違うのでしょう。
1.はいろいろな電車を比べていますよね。あの電車の曲線がたまらないとか、この車両は川崎重工で作られたとか、ホームで流れる音楽にまで注目しているかもしれません。すなわち電車を数えているのです。
2.は比較対照は電車ではなく、あくまで他の交通手段ですね。移動するのに車が良いか、電車が良いか、バスが良いか... 電車を「個体」として見ていないために数えていないことが分かります。複数という「数」の概念を持ち込むことは難しいですね。

結果としては、数えている方=一つ一つの個体を意識している1.の文は複数で表現されます。
1. J'aime beaucoup les trains.
個体を意識していない=数えていない2.の文は単数で表現されます。
2. J'aime beaucoup le train.

ねえ、タクシーで帰ろうよ。
 - 電車の方がいいよ。
On prend un taxi pour rentrer, non?
 - Je préfère le train. です。

ギター(楽器)にも同じことが言えます。
コレクターは複数を、音楽としてギターを愛している人は単数を使って見ましょう。
皆さんはどちらですか。

2009年8月1日土曜日

2時間本を読みました。

「〜の間」を表す時の前置詞はpendantでしたね。

A Paris, j'ai étudié le français pendant 1 an.
この例文はもう覚えましたか。

ではこの場合はどうなるでしょう:
「昨日2時間で宿題をしました」

この例文の場合は結論が明らかです。2時間「で」宿題ができた、という「完了・終了」の行為を表しているのです。すなわち「終った、できた!」ということですね。

この場合は:
J'ai fait mes devoirs en 2 heures. となります。

「昨日2時間でこの本を読みました」
J'ai lu ce livre en 2 heures hier.
となるのですねえ。

ここで pendantを使うと、
J'ai lu ce livre pendant 2 heures, mais j'en suis toujours dans le permier chapitre.
(この本を2時間読んだけど、まだ1章の途中です)
という事になってしまいます。

前置詞 enは「完了・終了」するのに費やされた時間を表すのに使われるので、当然finirやterminerとは仲良しです。
J'ai fini ce livre en 2 heures.(読み終えた)
と表現することもできます。

つまり、著者も含めて学習途中の皆さんは
J'ai appris le français en 5 ans. (学習に終わりはありませんからね)とも言えないし、
J'ai appris le français pendant 5 ans.(学習したけど今はしていない)
とも言えないのですね。

2009年7月31日金曜日

大文字か、小文字か... それが問題だ。

いつかフランスを訪れてみたいな。
J'aimerais visiter la France un jour.
フランス語を勉強したいな。
J'aimerais apprendre le français.
フランス料理はあまり得意じゃないんだよね。
La cuisine française, ce n'est pas ma tasse de thé.

国としての「フランス」は大文字を使いla Franceと書きます。
言語としての「フランス語」は小文字を使いle françaisと書きます。
形容詞の「フランスの、フランス風の、フランス的な...」は小文字を使いfrançais(e)と書きます。

ここまでは割と知られた話ですね。
この先が問題なのです。

「私は日本人です」は大文字で書きますか、それとも小文字で書きますか?

難しい問題ですね。
大学入学した頃は大文字だと習いました。そう綴っていて困ったことは一度もありませんでした。
ただフランスに行って見ると、小文字が多いのです。そう、圧倒的に小文字が多いのです。
本国で観察をすると、Je suis japonais.と書く方が自然に思えてきます。

調べてみました。結論は...

人によります。どちらでも正書法では問題はないようです。
(ちなみにぼくは「小文字派」です)

じゃあ、「すごく魅力的なフランス人にパリで知り合ったよ」の時は?
J'ai rencontré un F/f-rançais charmant à Paris. どちらでしょうか。

これは間違いなく大文字です。Françaisが名詞で使われている時(フランス人)は絶対大文字です。

よく考えてみると、フランス人は大文字小文字をあまり意識していないし、さほど区別はしていないのです。
板書が全部大文字の教師も「le Ciel フランス語教室」にはいますし、本来なら「YAMAHA」と全部大文字で書かなければいけない会社名を、全部小文字表記してある例をギター雑誌では何度も見ました。

区別を知っていてしないのと、知らないから適当なのとは違いますね。
この機会に覚えてしまいましょう。

2009年7月30日木曜日

問題です。

それは難しい問題ですね、困りましたね。
C'est un problème très difficile. C'est embêtant, ça.
この(練習)問題は難しいですね。
C'est une question difficile.

問題といっても二種類あります。
1. 困ったという「問題」
2. 学校などでの先生が指示をする「問題」

1.の場合:
「〜が問題となる、〜は困ったことだ」
Ça pose un problème.
「その問題を解決してみよう」
On va essayer de résoudre le problème.

2.の場合
「この問題は(難しくて)解けない」
Je ne sais pas répondre à la question.

意味によって選択する単語も違うし、組合せる動詞も違うのですね。

(会う)約束をする:prendre un rendez-vous、fixer le rendez-vous
(会う)約束を取り消す:annuler le rendez-vous
(するといった)約束を守る:tenir sa promesse / parole
(するといった)約束を取り消す:retirer sa parole
(するといった)約束を破る:manquer à sa promesse / parole

ではここで問題です。
動詞résoudreの現在形の活用及び過去分詞を言って下さい。

... ... ...
まあ、調べてみて下さい。

2009年7月29日水曜日

その日、前日、その前の日

「(今日ではない)その日」はフランス語では... ce jour-làですね。
「(その)翌日」は... le lendemainですね。
「翌々日」は... le surlendemain か2 jours après / 2 jours plus tard でしたね。
では「(その)前日」は何でしょう... la veille が使われます。

じゃあ「(その)二日前」は何というでしょう... 
固有の表現は l'avant-veille ですが、応用の利く表現には2 jours avant や2 jours plus tôt もあります。昨日の記事と同じように、気をつけて下さいね。よく日本で学習者が使っているavant 2 joursは文法的には間違いです。ま、通じますが...

「今日から3日前」はil y a 3 joursだし、「その3日前」は3 jours avant です。
「3日前から続けてずっと」は depuis 3 jours でしたね。
avant 3 jours自体が存在しないはずの表現なのです。

ただし、avant 3 heures は、意味が違いますが、使えますよ。
「3時より前に」という意味に変わります。
同様に après 3 heures も可能です。
「3時以降に」という意味で使うのならば、です。

2009年7月28日火曜日

その日、翌日、翌々日

「今日」はフランス語では... aujourd'huiですね。
「明日」は... demainですね。「明後日」は... après-demainです。

では「(今日ではない)その日」は何でしょう... ce jour-làです。
じゃあ「(その)翌日」は... le lendemainですね。
じゃ、「翌々日」は... 
表現が二つあります。

固有の表現は le surlendemainですが、応用の利く表現には2 jours après や2 jours plus tardもあります。

気をつけて下さいね。
よく日本で学習者が使っているaprès 3 joursは文法的には間違いです。ま、通じますが...
「今日から3日後」はdans 3 joursだし、「その3日後」は3 jours aprèsです。
après 3 jours自体が存在しないはずの表現なのです。

ただし、après 2 jours d'entraînementやaprès 2 semaines de vacancesは問題ありませんよ。

Je vais partir en vacances dans 5 jours. J'arriverai à Toulouse Blagnac ce soir-là. Je repartirai sur Montpellier le surlendemain voir des amis parisiens, et après 3 jours de fêtes, je remonterai sans doute sur Paris.

2009年7月27日月曜日

今日、明日、明後日

「今日」はフランス語では... aujourd'huiですね。
「明日」は... demainですね。「明後日」は... après-demainです。

では「一週間後」は... そうdans une semaineもしくはdans 8 joursですね。
じゃあ「二週間後」は... dans 2 semainesまたはdans 15 joursが使われます。

「今日」をカウントするので、8や15という数字が現れるのです。

過去に遡っても同じです。

「一週間前」は il y a 8 jours、「二週間前」は il y a 15 joursとなります。

ネイティブに聞いてみました「一週間後の1日前は何というの?dans 7 jours?」
答は明快でした:曜日を使って応えます。Mercredi prochain とかね。

なるほど!

2009年7月26日日曜日

名詞なの?形容詞なの?

J'ai honte.
J'ai mal à la tête.
J'ai faim.
J'ai sommeil.
に代表される「avoir + 名詞」の表現は多くありますよね。皆さんも折に触れて目にしているはずだし日常表現としても使っているはずです。

avoir の後の単語は、動詞の直接目的語として使っているので、普通に考えれば名詞ですよね。
辞書を見ても「mail: 名詞(男)痛み、苦痛...」となっています。

しかし!とても頭が痛い時には主に形容詞を修飾するのに使われるtrèsを前に付け、
J'ai très mal à la tête. と言われます。じゃあ形容詞なのでしょうか。

品詞分類にこだわってもしょうがないので(そこは辞書学者に任せましょう)、avoir + 無冠詞名詞の表現に「とても」という意味を付け加えたい時にはtrès が使われると覚えておきましょう。
ネイティブの中では、以前は今よりも「名詞」として意識をされていたようで、J'ai grand faim. なんて言う表現が使われていました。

その名残として、
Qu'est-ce que tu as fait le week-end dernier?
 - Je n'ai pas fait grand chose.(大して何も)
なんて表現が今までも使われています。ただしgrand choseは否定文で飲み使われますので、注意が必要です。

2009年7月25日土曜日

1年間フランス語を勉強しています。

「〜の間」を表す時の前置詞はpendantですね。
「1年間フランス語を勉強しています」をフランス語で表現するのに:
J'apprends le français pendant 1 an. は文法的に正しいのでしょうか。

通じますが... 正しくはありません。
正解は:
J'apprends le français depuis 1 an. です。

「毎日フランス語を2時間勉強しています」はどうでしょうか:
J'étudie le français tous les jours pendant 2 heures.
が正解です。

何が違うのでしょう。
pendantは「表されている期間中における行為の継続」を表します。それに加えて「その期間以前及び以降はこの行為が行われていない」事を意味します。
depuisは「表されている期間中における行為の継続」を表します。それに加えて「現在もこの行為が継続して行われる」事を意味します。

「一年間フランス語を勉強している」を言い換えると、一年前からフランス語を勉強しているということですね。すなわち「一年前からフランス語学習という行為が継続し、今日現在も続いている」のですね。
したがってdepuisが選択されます。
「毎日フランス語を2時間勉強しています」は、2時間の後には違う行為に移っていることになりますね。すなわち「その後は行為が継続されない」ことになります。
したがってpendantが選択されるという訳です。

「パリで一年間勉強していました」はどうなるのでしょうか。一年後には次の行為=行動に移っているので:
A Paris, j'ai étudié le français pendant 1 an.
になるのですねえ。

一年前から毎日二時間フランス語を勉強しています:
J'étudie le français tous les jours pendant 2 heures depuis 1 an.
この例文を覚えればバッチリでしょう。

2009年7月24日金曜日

初めましてはenchanté(e)?

フランス人と初めて会った時に「Enchanté(e)」 と言いますよね。
そもそもenchantéとはどういう意味なのでしょうか。

辞書を引くと「嬉しい、光栄に思う(形容詞)」と書いてありますね。
まず形容詞なので、Je suis enchanté(e). と言えるのですね。
また「お会いできて」を意味する「de vous connaître」や「de vous voir」を付け加えて、
Je suis enchanté(e) de vous connaître. などもよく聞く表現ですね。

ただし少し日本語と使い方が違う部分もあります。

見知らぬ人との会話の一言目に「初めまして」と言うことはよくありますよね。
それとは違いフランス語では一言目に「Enchanté(e)」とは言えないのです。
一瞬ちらっと見ただけなのに「光栄です」とは言えないのです。少し話をして「知り合ってから」の表現という訳です。
また「お会いできことをうれしく思う」を表す、
Je suis enchanté(e) de vous avoir connu(e). で会話を終わり別れることのしばしばあります。

初めまして、でお別れすることはないですよねえ。

2009年7月23日木曜日

形容詞は奥が深し...

忙しいよ〜。
Je suis occupé(e).

何かがおかしいですね。
日本語訳は便宜的に付けてあるだけなので、多少の意味のずれは例文を読んで判断しなければいけないのです。(実はこんな時に[仏仏辞典]が有効なのですよ)

occupéという形容詞は「することがある、塞がっている」という意味なので、
Je suis occupé(e)は用事がある、予定がある、ということで、忙しいということではありません。
スケジュール帳にその週のその時だけ[予定]があればJe suis occupé.と返答しても間違いではありません。
トイレに人が入っている時に表示されているoccupéも同じ理由ですね。

言い換えれば、On va au ciné ce soir? と誘われて、「忙しいけどせっかくだから行くよ」と言いたければ、
Je suis très occupé(e) en ce moment, mais puisque tu m'invites... OK! と言いましょう。

Je suis occupé(e) だけだと、
Tant pis! (仕方がないね!)と別の話題に移るかもしれませんよ。

2009年7月22日水曜日

変幻自在

表現・熟語を数多く作る名詞のひとつに「coup」があります。

クーデター:le coup d'état
お手伝い:un coup de main
急激な老け:un coup de vieux
一目惚れ:un coup de foudre
一杯飲みにいく:aller boire un coup
電話をかける:passer un coup de fil

いろいろ変身しますね。
意味としては(瞬間的な)一発、一回を表していると考えれば理解できるのではないでしょうか。

un coup de mainは「お手伝い」という意味で、日常会話でもよく使われます。

Vous voulez un coup de main?
(お手伝いしましょうか)
Tu peux me donner un coup de main, s'il te plaît?
(手伝ってくれない?)

ただし、un coup de piedは「蹴り一発」だし、un coup de poingは「げんこつ一発」になります。
こっちは欲しくないですね。

2009年7月21日火曜日

綴りと発音のズレ

一般的にはフランス語は綴りと発音の「ルール」を覚えれば、ほぼ正確に発音できると言われています。
(もちろん母音の小さな差異やイントネーション、強弱は別の話です)

ところが、少なからず例外があるのですね。

最もなじみの深い単語では「examen」がありますね。
en という綴りは manger、enfantと同じく、口を縦に開けて「ア」の音を鼻に抜き発音する鼻母音です。
ただし、examenやappendicite(虫垂炎)のenはinやainと同じく、口を横に開けて「エ」の音を鼻に抜き発音する鼻母音なのです。

こんなのもあります。

「(花などを)摘む」の単語って、正確に綴れますか。もしくは「cueillir」と文字にした時、正しく発音できますか。
フランス語では[œ]や[ø]の音はeuまたはœuと書くと決まっているのです。
もちろん綴りより音声が先にありきなので、[kœ]という音声を文字で表現する時に、昔の人は困った時はずです。
kという文字は昔のフランス語には存在しないのでcを使うしかない。しかしcとeuを並べれば[kœ]ではなく[sœ]と読まれてしまう... どうしよう...

おそらくそんな中で編み出された=ごまかされたのが「反対に書いてそれなりに見せよう大作戦!」だったのではないでしょうか。
kの音を保ったままで、そう遠くなく似たような綴りで、正しい発音に何となく読めてしまう...

誤魔化されてしまいますね。
先人の知恵おそるべしです。
Chapeau! 

2009年7月20日月曜日

牛とフランス語【訂正あり】

さて問題です!

雨が強く降っているね。
あの人の話すフランス語、めちゃくちゃだよね。
えらいこっちゃ!

この3表現に共通することはなんでしょう。

正解は... 「雌牛=vache」です。

雨が強く降っているね。
Il pleut comme vache qui pisse.

あの人の話すフランス語、めちゃくちゃだよね。
Il parle français comme une vache espagnole.
この表現は本来はvacheではなくbasqueだったのですが、各方面に気を使いvacheに変更されたようですね。

えらいこっちゃ!
Oh, la vache!

ちなみに話し言葉ではvachement=trèsもよく使われます。
雌牛のように「(程度が)大きい」様を表すのですね。

2009年7月19日日曜日

フランス語の本はフランスの本にあらず

フランス語を勉強するのに本や参考書をつい買ってしまいますよね、よくわかります。
そんな時に何と言いますか。

J'ai acheté un livre français / de français / en français.
どれでもよさそうだけど...

3つの表現はきっちりした使い分けがあります。

un livre français
は、国籍がフランスということなので「フランス(で出版された)の本」です。

un livre de fraçais
は、目的がfrançaisということなので「フランス語(を学習するため)の本」です。
un livre de cuisine も同様です。

un livre en français
は、(écrit) en français(=フランス語)ということなので「フランス語(で書かれた)の本です」

日本で出版されたフランス語の参考書は、
un livre japonais de français が厳密に言えば正しい表現ですね。

ちなみにぼくの職業は、
Je suis professeur japonais de français. または Je suis professeur japonais de F.L.E. です。
F.L.E. とは、Français Langue Etrangère(外国語としてフランス語を教えること)の略です。

2009年7月18日土曜日

暑いですね。

今日は昨日より暑いですね。
Il fait plus chaud aujourd'hui qu'hier.

これは正解です。
では次の文はどうなりますか。

大阪はパリより暑いですね。
Il fait plus chaud à Osaka que Paris.

何かがおかしいですね。
暑さ比べをしているのは、「大阪における」暑さと「パリにおける」暑さを比べているのですよね。
つまり、à Osaka と à Paris を文の中に対等な関係で持ち込まなければいけません。

正解は...
Il fait plus chaud à Osaka qu'à Paris.
Il fait plus chaud au Japon qu'en France.

となります。
J'ai peur qu'il fasse plus chaud demain qu'aujourd'hui...

2009年7月17日金曜日

〜好きです。

「好き嫌い動詞」と一緒には、le / la / les を使います、肯定文否定文とも同じです。

では、ブラジルコーヒーが好きです。
と相手に伝えたい時には、どんなフランス語を使いますか。

1. J'aime beaucoup le café brésilien.
2. J'aime beaucoup les cafés brésiliens. どちらでしょう。

フランスのカフェが好きです。

1. J'aime beaucoup le café français.
2. J'aime beaucoup les cafés français. どちらでしょう。

ややこしいですよね。
「コーヒー」といった時に、発言者やそれを聞いている人は同じ「コーヒー」の映像のイメージは持ちにくいですよね。
カップに入っていたり、サイフォンだったり、映像が浮かばなかったり。
要するに「固形物」として認識しづらいです。
固形物としてイメージしにくい場合は、当然数えにくいですよね。
でその場合は(飲み物のコーヒー)、単数で表現します。

また逆に、喫茶店といった時に、具体的にひとつの店舗としての「喫茶店」はイメージできますよね。
「2店舗」ある場合も、簡単に映像化できますよね。要するに簡単に数えられる訳です。
この場合は(喫茶店)、複数で表現します。

飲み物の場合は1. 店舗の場合は2.を使うのが一般的です。
冠詞は難しいとは思いませんが、ややこしいですね。
少しずつ、千里の道も一歩から、です。

2009年7月16日木曜日

全部ください。

レストランなどで食事の後に「チーズワゴン」が出てくる事がありますよね。
もしくは「デザートワゴン」なんという幸せに遭遇することもあります。
そんな時に「全部ください!」と言いたいですよね。そんな時に、

  - Tout, svp.

と言っていませんか。
そりゃ無理です。そこにあるものを、本当の意味で「全部」と言っていることになります。
厳密に言えば、チーズワゴンのチーズ全部、デザート全部、になるのです。いくら何でも食べられないでしょう。

では何と言えばいいのでしょうね。

部分冠詞を習った時に、du, de la, de l' ... と並んでいるのを見て「へえ、部分冠詞には de が全部にくっついているのね」と思いませんでしたか。
そう、文法的には de は部分を表すから部分冠詞と言われるのです。全部を表す定冠詞に部分を表す de を付けて部分冠詞なのです。文法家の中には des を部分冠詞のグループに含む人もいます。J'en fais partie. です。

と言うことは、de を付ければチーズ全体の「一部」を表すのかな。と思ったあなた!素晴らしいです。

   - De tout, svp.

が正解です。「全部を部分でください」と言う意味になります。
変な日本語ですが、理論的には「全種類を少しずつ」ということになります。
これに un peu を付けた

   - Un peu de tout, svp.

もよく使われますね。そうするといろいろな種類を少しずつ取り分けてくれます。
お試しアレ!

2009年7月15日水曜日

à それとも de? その2

un gâteau au chocolat なのに un gâteau de riz、une tarte aux pommes なのに de la confiture de pomme、どうなってんの?

ずばり!主原料が問題です。
gâteau au chocolat の主原料は小麦粉ですね。
gâteau de riz の主原料は... お米ですよね。お米がなければ存在できないでしょ。

tarte aux pommesは tarteが既に存在して、+αとして(味付けや香り付け)、リンゴがある訳ですね。
confiture de pommeはジャムを作るにはリンゴが必要な訳です。

de は主原料、à はおまけ(味付け香り付け)と覚えましょう。
これで、le canard à l'orange も le jus d'orange も解決しましたね。

2009年7月14日火曜日

à それとも de? その1

フランス語の代表的な前置詞「à 」と「de」の使い分けって悩みますよね。
commencer à + 動詞の原形 なのに finir de + 動詞の原形 だなんて、ややこしいですよね。
でもほとんどの表現は「決まって」いるので、間違えてもそれなりに理解してもらえます。

問題なのは、二つの前置詞を使い分ける必要があり場合です。すなわち、意味によってどちらかを選ぶ必要がある時ですね。

un verre de vin? un verre à vin?
une tasse de café? une tasse à café?
une cuiller de soupe? une cuiller à soupe?

覚えるのはさほど難しくはありません。
beaucoup de ... この表現は知ってますよね。
de の場合は、手前が「単位」後半が「内容物」を表しています。
une tasse de café は、une tasse(カップ一杯)という「単位」の café「内容物」という意味で、コーヒーの量を表したいのです。大事なのは「コーヒー」です。

à の場合は、手前が「容器」後半が「用途」を表しています。
une tasse à café は、une tasse(カップ一杯)という「容器」で、「用途」はコーヒー(コーヒー用)という意味で、コーヒーカップを表現したいのです。大事なのは「カップ」です。

La cuisine allemande, ce n'est pas ma tasse de thé.

2009年7月13日月曜日

大事なことは最後に言おう!

慣れないとかなり難しいのですが、いったん慣れるとそれなりに何とかなるもんです。
まっ、なんでもそうですね。

フランス語を話す時に気をつけたいこと:
大事なことは最後に言おう!

Quand est-ce que tu as dîné avec ta professeure? (最近の「女性教師」を表す表現です)
  - Hier soir, j'ai dîné avec ma prof Julie.
Avec qui est-ce que tu as dîné hier soir?
  - Avec Julie, j'ai dîné hier soir.

こんな話し方をしていませんか。残念ながら「通じてはいます」がそれだけです。とっても気持ちが悪い会話になってしまっています。

「いつ?」に対しては「昨日の夜」、「誰と?」に対しては「Julieと」が答えのポイントになるのですよね。
フランス語の文では、一般的に後ろに行けば行くほど「重要度」が高くなります。
逆も真なりで、文頭にあるものは重要度がとても低く「既知」の情報として扱われます。すなわち、なくてもいい情報と認識される訳です。

という訳で、上記の質問と答えを入れ替えれば正しい受け答えになります。

Qu'est-ce que tu as fait ce matin?
  - Ce matin, j'ai fait la grasse matinée. Je n'ai rien fait de particulier.

J'ai fait la grasse matinée ce matin. と答える前提の疑問文は、
  - Quand est-ce que ... ?
なのです。

美しい話し方ではないですが、la grasse matinée だけ答えるのもひとつの方法です。

最後になりましたが、faire la grasse matinéeは朝寝坊をする、ではないですよ。
おわかりにならなければle Ciel フランス語教室までご連絡ください。

2009年7月12日日曜日

誰が?

Qui nous a offert cette bonne tarte?
(誰このおいしいタルト作って来てくれたの?)
  - Je vous l'ai faite.

このやり取りは何かがちぐはぐです。
何がズレているんでしょう。

日本語のレベルで言うと「助詞(てにおは)」がズレています。
答えの文をあえて訳すと「私それをつくりました」となります。

日本語学の世界では、一般的には「が」の前、「は」の後が重要だと言われています。
他の人ではなく「私が」作ったので、主語=「が」の前が重要で、そこにスポットライトを当ててあげないと答えとしてはズレていることになるのです。

ではどうするか?
フランス語の標準的な構文では主語を文末に持っていくことができません。
文頭にある「主語」は重要度はとても低いのです。(明日またこの「重要度」については書きます)

そこで登場するのが「強調構文」です。
大雑把に言えば、一番相手に伝えたい=需要なものをC'est 〜 qui / que の〜の部分に入れるのです。

で答えは、
C'est moi qui l'ai faite. となります。
もしくは、
Moi! と叫ぶとかね。

2009年7月11日土曜日

猫とフランス語

さて問題です。

その通りには人っ子一人いなかったよ。
なんだか喉がいがらっぽい。
わからない、パス!

この3文に共通する事は何でしょう。

正解は...
「猫」です。

フランス語では

その通りには人っ子一人いなかったよ。
Il n'y avait pas un chat dans la rue.
なんだか喉がいがらっぽい。
J'ai un chat dans la gorge.
わからない、パス!
Je donne ma langue au chat.
と言います。

雄猫を表す「chat」はいいけど、雌猫の方はあまり会話で使うのは好ましくありません。
理由は... ぼくに会った時に尋ねて下さい。
遠くの方は、御一報頂ければお答えします。

2009年7月10日金曜日

7月10日の朝

7月10日の朝にメールを一通送りました。
Je t'ai envoyé un mail...
この後はなんと続けましょう。

正解は:le matin du 10 juillet または le 10 juillet, au matin です。
le matin を表現の頭で副詞的に使う時は(「朝に」という意味で使う時)au matinとは言いません。

ちなみに「朝早く」「朝遅い時間に」は、
en début de matinée、en fin de matinée となります。
en début d'après-midi、en fin d'après-midi、en début de soirée、en fin de soirée も同様です。

冠詞がいらないので便利でしょ!?

2009年7月9日木曜日

J'aime ça!

好きなものを好き!って言える幸せってありますよね。
そんな時にはこんな風に言いましょう。

Le café, j'aime ça!

これを Je l'aime と言ってみたりすると、ネイティブの突っ込みは容赦ありません。

Ah, bon? Tu aimes qui?

文法的には直前の定冠詞付きの単数名詞はle, la、複数名詞はlesで受けると決まっているのですが、慣用が許してくれません。
aimerと共に使われる直接目的補語の代名詞le, la, lesは「人を指す」と決まってしまっているのです。

すなわち、
Pierre, je l'aime. はOKなのですが、Le café, je l'aime. とは言わないということです。

ちなみに、Je suis très café. と言えば問題はないですよ。

2009年7月8日水曜日

目覚める、起きる、ベッドに入る、眠りに落ちる、眠っている...

「目覚める」と「起きる」は違うの?

朝6時頃に目が覚めたけど、布団から出られなくて7時にやっと起きた!
Je me suis réveillé(e) vers 6h du matin, mais je me suis en fin levé(e) à 7h!

「ベッドに入る」と「眠りに落ちる」は?

12時にベッドには入ったけど、一時間本を読んで眠りについたのは1時だったよ。
Je me suis couché(e) à minuit mais, je me suis enfin endormi(e) à 1h du matin après une heure de lecture.

dormirは?
こんな風に使います。

心配事があって最近眠れなかったんだけど、昨日の夜はよく眠れたよ。
J'avais des soucis et je dormais mal depuis quelque temps. Et pourtant j'ai vraiment bien dormi hier soir.

Bonne nuit!

2009年7月7日火曜日

今日はこの活用を覚えましょう。

先程のブログで出てきた「ouvrir」は正しく活用できますか。実は二重の意味で手ごわいですよね。

1. ouvrirとoublierが似ていてどっちがどっちか分からない。
2. ...irで終わっているのに、finir(第二群規則動詞)とまったく共通点がない!

1.に関しては「似ている」と思うのは日本人学習者だけです。
vとb、rとl、irとer...同じところは一つだけ。ouで始まっている事ですね。
この二動詞を日本人が混同してしまう事さえ、ネイティブは見当はつかないようです。
「違う」のです!

2.ouvrirは活用界では(そんな世界があればですが)異質な存在ですね。
実は!ir動詞の革を着たer動詞なのです。
さも「ouvrer」という第一群規則動詞動詞があるかのように活用してみましょう。
ね、正解はすぐに出てきたでしょう。

この動詞には仲間がいて、
ouvrir、couvrir、découvrir、offrir、souffrir de の5つです。

今日は活用を5つ覚えましたね。

できな〜い!

例えば「ドアが開けられない」と言いたい時にどんな表現が思いつきますか。

Je ne peux pas ouvrir la porte.
は浮かびましたか。

他には
Je ne sais pas ouvrir la porte.
(そもそもドアの開け方を知らない)
Je n'arrive pas à ouvrir la porte.
(一所懸命努力はするのだけれど、どうしても開かない)
J'ai du mal à ouvrir la porte.
(開けるのに苦労している)

Je sais bien chanter mais je ne peux pas aujourd'hui. Je suis enrhumé.
といった具合です。

複合過去(過去形みたいなものですね)で使うと違いがよくわかります。
Je n'ai pas pu ouvrir la porte.
ドアを開けられなかった。
Je n'ai pas su ouvrir la porte.
ドアの開け方を理解できなかった。
Je ne suis pas arrivé à ouvrir la porte.
(努力はしたが)ドアを開けられなかった。
J'ai eu du mal à ouvrir la porte.
苦労はしたがなんとかドアは開いた。

Je n'arrive pas à m'endormir...

2009年7月6日月曜日

Je suis fâché!

日本語で「怒る」と「怒っている」の違いはなんでしょう。
まあ「変化」と「状態」の違いといってはいいのではないでしょうか。

se fâcher≠être fâché
se marier≠être marié
s'énerver≠être énervé
s'habituer à≠être habitué à

me contenter≠être content
この対表現に関して言えば、意味がかなり違います。

Je dois me contenter de mon professeur.今の先生で我慢しなきゃ!
Je suis content de mon professeur.今の先生に満足です。

de... があるので、当然中性代名詞enが使えますよ。やった!

2009年7月5日日曜日

大きな声で!

人と話す時や文を読む時はどこを強く発音しますか。
主語が以上に大きかったり、最後に行くにつれてだんだん声が小さくなっていませんか。

フランス語は「後ろが強い」と覚えておきましょう。
単語の最後の音節<最後の意味まとまりの最後の単語の最後の音節<文の最後の意味まとまりの最後の単語の最後の音節...

要するに最後に行けば行くほど「強く大きく」発音すると覚えておきましょう。

Vous vous appelez comment?
  - Je m'appelle が大きくて、「重要」な名前を言う時に声が小さくなっていませんか。

2009年7月4日土曜日

男性名詞?女性名詞?

英語を多少勉強した後フランス語を学び始めた時に「なにこれ?」と思うもののひとつが「名詞の性」ですよね。

livre(本)は男性名詞なのに、revue(雑誌)は女性名詞だし、livreを女性名詞で使うと(une livre) なんと!
イギリスの貨幣単位または重さの単位の「ポンド」になるのです。
Je vais m'acheter une demi-livre de beurre et un livre de cuisine.
半ポンドのバターと料理本買いに行こうっと!

もっと不思議な名詞もあります。
un après-midi? une après-midi?
どちらでもいいのです。

gens(人たち)は究極愉快ですよ。
de bonnes gens と言います(女性形の形容詞が付いています)が、des gens gentilsと後ろに形容詞を付ける時は男性形なのです。

あまりこだわらないで、覚える時にunかuneを付けて覚えてしまえば後も楽ですよ。

2009年7月3日金曜日

三日後と三日以内

学習者の間でdans 3 jours(三日後)はかなり知名度は高いですよね。
  - J'aurai 30 ans dans 3 jours. とかね。

じゃあ「三日以内」は何と言うでしょう。

答えはd'ici 3 joursまたはdans les 3 jours qui viennent です。
avant 3 joursがダメだとは言いませんが、あまりネイティブは使いせんね。

Je dois prendre ma décision d'ici 8 jours.
一週間以内に結論を出す必要がある。
Je dois prendre ma décision dans 8 jours.
一週間後に結論を出さなければいけない。

違いますよね。
Je partirai en vacances dans un mois! J'attends le mois d'août avec impatience.

2009年7月2日木曜日

接続法?直説法?

悩みますよね。どっちを使ったらいいのか?それ以前に「接続法」って何?
まあそんなことに悩むより、これでも読んで気を楽にして下さい。

本来は「après que...」 や 「il est probable que...」の後は直説法を使うことが文法的なお約束となっています。
ただ周りのネイティブに聞いてみるとほぼ全員が「接続法でしょ。何言ってんの」という顔をされます。
また、本来は接続法なのに直説法が使われるという逆の現象も見られます。

ということは!
大して重要ではないということです。

述語動詞(主語の次に来る全体を司るメインの動詞)はきっちり活用して下さい。ここは「絶対!」です。
それ以外の動詞は... 文の中でその動詞が表している動作が他に対して時間的な「前後」を伝える必要がある時(多くの場合はそうですが)以外は気楽に使ってみて下さい。

とはいえ約束事はあるのですよ。
少しずつ覚えていきましょうね。

2009年7月1日水曜日

否定文を考える1

Voulez-vous voyager avec moi ce week-end? (今週末一緒に旅行に行かない?)
  1- Non, je ne veux pas voyager.
  2- Non, je ne veux pas voyager avec toi.
  3- Non, je ne veux pas voyager ce week-end.

同じように見えますが、意味は全然違います。
  1- 旅行に「は」行きたくない。
  2- 旅行にあなたと「は」行きたくない。(他の人とだったら考える)
  3- 旅行に今週末「は」行きたくない。(他の日程だったら考える)

最後の意味まとまりを否定していると考えればいい訳です。否定語のne - pas は位置の制約があるので(neは主語の次、pasは活用している動詞及び助動詞の直後)、原則的に打ち消したい表現の直前に持ってくるなんて芸当ができないのです。(一部の話し言葉はその限りではありません)

必ずしも動詞を打ち消しているのではないことは覚えておきましょう。

2009年6月30日火曜日

Osaka だけじゃ足りません。

Vous habitez où?
  - Osaka.

と答えていませんか。通じていますが、ネイティブならそうは答えません。じゃあ?
正解は:- A Osaka ですね。

フランス語では、発音する時も考える時も答える時も... 全ての場合「意味まとまり(一番短い意味が通る単位)」で構成されてると言ってよいのです。日本語に例えると「文節」に似ているかもしれません。

大阪に[ね]友達と[ね]住んでいます。←この文は3文節という事になります。

要するに、J'habite / à Osaka. という風に考えるのです。その意味まとまりで答えるのが原則です。

Avec qui allez-vous partir en vacances?
  - Avec mon meilleur ami d'enfance. ですよ。avecは省略できません。理解はできますが...

2009年6月29日月曜日

On se met à l'ombre ou au soleil?

カフェなどに入る時に使う表現ですね。

「日陰に座る?それとも日なた?」

主語のonはその場にいる人を指しています。座るを意味する「s'asseoir」ではなく「se mettre」を使うのがミソです。

イントネーションにも気をつけましょう。
ouの手前はイントネーションを上げて、後は下げなければいけません。
「?」が見えたらつい上げてしまいませんか。