2009年7月21日火曜日

綴りと発音のズレ

一般的にはフランス語は綴りと発音の「ルール」を覚えれば、ほぼ正確に発音できると言われています。
(もちろん母音の小さな差異やイントネーション、強弱は別の話です)

ところが、少なからず例外があるのですね。

最もなじみの深い単語では「examen」がありますね。
en という綴りは manger、enfantと同じく、口を縦に開けて「ア」の音を鼻に抜き発音する鼻母音です。
ただし、examenやappendicite(虫垂炎)のenはinやainと同じく、口を横に開けて「エ」の音を鼻に抜き発音する鼻母音なのです。

こんなのもあります。

「(花などを)摘む」の単語って、正確に綴れますか。もしくは「cueillir」と文字にした時、正しく発音できますか。
フランス語では[œ]や[ø]の音はeuまたはœuと書くと決まっているのです。
もちろん綴りより音声が先にありきなので、[kœ]という音声を文字で表現する時に、昔の人は困った時はずです。
kという文字は昔のフランス語には存在しないのでcを使うしかない。しかしcとeuを並べれば[kœ]ではなく[sœ]と読まれてしまう... どうしよう...

おそらくそんな中で編み出された=ごまかされたのが「反対に書いてそれなりに見せよう大作戦!」だったのではないでしょうか。
kの音を保ったままで、そう遠くなく似たような綴りで、正しい発音に何となく読めてしまう...

誤魔化されてしまいますね。
先人の知恵おそるべしです。
Chapeau!