2009年8月19日水曜日

必ずしも「反対」ではありません。

「反対」を訳すと、一般的には「le contaire」です、という話ではありません。

各言語に「単語の穴」があるのです。
例えば日本語には「自分が自分であること、またはその自己証明」という概念はない(なかった)ので、アイデンティティーは日本語ではないし、無理に訳すことさえできません。
ご存知の通り、ヨーロッパ言語には「義理」という発送や概念がないので、もちろん訳せない(intraduisible)です。

フランス語には「反対の形容詞の穴」が多く見受けられます。

フランス語にはprofond(深い)はあるのですが、英語だとshallowと訳される「浅い」という形容詞が存在しません。
多くの場合、peu profond(さほど深くない)を使います。

cher(値段が高い)はあるのですが、英語のcheapに当たる(値段が安い)は存在しません。
bon marchéはほとんど使われないのです。

frileux,se(寒がり)はあるのですが「暑がり」という語も存在しないのです。
おそらく、本来はフランスは寒い国なので、「暑い」という感覚もしくはそれに対応する単語が生まれにくいという背景があったのでしょうね。

Je déteste la chaleur. または
Je crains la chaleur.
というしかありません。

言葉っておもしろいですね。